2011 Fiscal Year Annual Research Report
ローダサイクル中間体を利用した多環式化合物の効率的合成法の開発と不斉合成への応用
Project/Area Number |
22790002
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
大西 英博 北海道大学, 大学院・薬学研究院, 助教 (70399955)
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Keywords | ロジウム / アレン / アルデヒド / 含窒素ヘテロ環カルベン / 環化反応 |
Research Abstract |
本研究代表者は、含窒素ヘテロ環カルベン、いわゆるNHCを配位子に持つロジウム触媒とアレンインとアルデヒドとの環化反応を検討したところ、5員環と8員環もしくは6員環と8員環が縮環した二環式化合物が良好な収率で生成することを見いだし報告した。そこで、本年度は本反応を分子間反応へと展開すべく検討を行った。すなわち、ロジウム触媒存在下、4-アレナールとアルキンの反応を行なった。その結果、本反応は末端アルキンを用いると立体選択的に進行し、目的とする8員環化合物が良好な収率で生成することがわかった。また、様々な官能基を有するアルキンや4-アレナールが適用可能であることも明らかにした。さらに、アルキンとしてアセチレンの利用も検討した。この場合も、反応は速やかに進行し対応する8員環化合物が高い収率で生成することも見いだした。ところで、先の分子内反応を検討中に、配位子としてdppeを用いると6員環と7員環が縮環した二環式アルコールが選択的に生成することを明らかにしていた。そこで、この反応の収率の向上を目指し、検討したところ、アルキンとアレンを繋ぐ炭素鎖が2炭素である基質を用いて反応を行なうと、良好な収率で二環式アルコールが生成することがわかった。また、本反応も同様に、基質の適用範囲の拡大を目指し検討を行い、様々な二環式化合物の合成に利用可能であることも明らかにした。さらに、反応機構に関して詳細に検討を行ったところ、本反応はオキソローダサイクル中間体を経由する反応であることもわかった。
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