2010 Fiscal Year Annual Research Report
トリプルネガティブ乳癌の分子標的薬開発に貢献する分子プローブの創製
Project/Area Number |
22790005
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
山田 圭一 群馬大学, 大学院・工学研究科, 助教 (70323334)
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Keywords | トリプルネガティブ乳癌 / 環状ペプチド / 分子プローブ / 標識合成 |
Research Abstract |
本研究では、トリプルネガティブ乳癌(TNBC)に対して顕著な抗腫瘍活性を示すハロゲン含有疎水性環状ペプチドSA-Xの標的分子探索とin vivo治療効果の判定に資する分子プローブ群の開発を行い、TNBCの分子標的薬開発に関する知見を得ることを目的とする。平成22年度は、放射性ハロゲン^<125>I及び^<77>Brを用いたSA-Xの標識合成を実施し、以下の知見を得た。 まず、SA-Xの標識合成における前駆体として、L-Phe(Bu_3Sn)残基を含む環状ペプチドの固相合成を検討した。L-Pheを出発物質としてビルディングブロックであるBoc-L-Phe(Bu_3Sn)-OHを4工程全収率32%で合成できた。これを、Boc固相合成に用いたところ、脱Boc時の酸処理でトリブチルスタニル基が脱離したため、目的物の合成には至らなかった。そこで、予め標識アミノ酸Boc-L-Phe(p-X)-OH(X=^<77>Br,^<125>I)を合成後、固相合成に供したところ、目的とする放射性ハロゲン標識化SA-Xを痕跡量ながら得ることができた。これらを踏まえて反応工程を検討した結果、非放射性のL-Phe(p-I)含有鎖状保護ペプチドのトリブチルスタニル化、放射性標識化、脱保護、液相環化反応を経てSA-^<125>Iを得ることに成功した。標識から環化反応まで4工程の全収率は7%であった。 ノーマルマウスを用いて合成したSA-^<125>Iのin vivo薬物動態を評価した。その結果、SA-^<125>Iは投与後10分に肝臓に極めて高い集積を示した。また、投与後30分から肝臓の集積が減少し、腸への集積が増加していることから、SA-^<125>Iは投与早期で素早く肝臓に取り込まれ、胆汁を経由して腸へと移行していることが示唆された。
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Research Products
(4 results)