2011 Fiscal Year Annual Research Report
トリプルネガティブ乳癌の分子標的薬開発に貢献する分子プローブの創製
Project/Area Number |
22790005
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
山田 圭一 群馬大学, 大学院・工学研究科, 助教 (70323334)
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Keywords | トリプルネガティブ乳癌 / 環状ペプチド / 分子プローブ / 標識合成 / 薬物動態 |
Research Abstract |
予後不良の難治性疾患であるトリプルネガティブ乳癌(TNBC)に対して顕著な抗腫瘍活性を示すハロゲン含有疎水性環状ペプチドSA-Xを基盤として、SA-Xの標的分子探索やin vivo治療効果の判定に資する分子プローブ群の開発を行った。平成23年度は、培養TNBC細胞を移植した担癌マウスを用いた薬物動態解析と標的分子探索に資する蛍光・ビオチン標識化プローブの合成を行った。 1)陽電子断層撮像法(PET)によりin vivo薬物動態の評価と治療効果判定を行うことを念頭に置き、殺細胞活性に必須なSA-X中のハロゲン原子を対応する陽電子放出核種(76Br,124I)に置換した環状ペプチドの標識合成を検討した。前年度に合成した125I標識体(SA-125I)の収率向上を目指し、環状の標識前駆体を合成することに成功した。また、予備実験としてSA-125Iを培養乳がん細胞(MDA-MB231)を移植したマウスに投与し、臓器移行性を調べた。その結果、投与後早期に肝臓へ集積し、その後胆汁酸経路で排泄されて腫瘍に殆ど移行しないことが分かった。これはSA-Iの高い脂溶性に起因するものと推測されたため、実際にPET撮像による治療効果判定を実施するためにはSA-Xの分子改変による薬物動態改善が必要であることが示唆された。 2)蛍光・ビオチンプローブの合成 蛍光色素・ビオチンとSA-Iを連結した標識化プローブの合成を実施した。まず4-アジド-L-プロリンをN末端に有するポリプロリンロッドを合成し、SA-Iのval残基をLysで置換した改変体と縮合した。これをCu(I)触媒を用いたHuisgen反応によりアルキン修飾蛍光色素及びビオチン誘導体と結合させ、目的のプローブを合成した。現在これらのプローブを用いた標的分子探索実験を実施中である。
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Research Products
(7 results)