2012 Fiscal Year Annual Research Report
触媒的不斉シクロヘキサノン融合型複素環合成法の開発
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22790007
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
原田 真至 千葉大学, 薬学研究科(研究院), 助教 (10451759)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 合成化学 / 触媒的不斉反応 / Diels-Alder反応 / ヒドロカルバゾール / ツリウム |
Research Abstract |
前年度までに基質として用いるシロキシビニル置換インドールの合成・単離・精製の方法論を確立したため、目的の反応開発・触媒開発に注力した。その結果、ツリウム塩を中心金属として用い、bis-thiourea型不斉配位子を組み合わせた触媒系が幅広いジエノフィルに適用可能であり、高収率・高エナンチオ選択的にDiels-Alder付加体を与えることを見出した。生成物はexo付加体のみが得られ、endo付加体は観測されない。また、シリルエノールエーテル部位が保持されており、続く変換反応によって立体選択的に炭素鎖を導入することに成功した。本化合物は4級炭素を含む4つの連続した不斉炭素を有しており、高度に官能基化されたキラルビルディングブロックの構築を達成した。なお、付加体および誘導体の相対立体化学については各種NMR解析によって決定し、絶対立体化学については誘導体のX線結晶構造解析によって決定した。 また、インドール以外の複素芳香族化合物由来の基質にも今回開発した触媒を適用したところ、ピロール由来、ベンゾフラン由来の基質について良好な収率で目的のDiels-Alder反応付加体を得ることに成功し、より一般的なcyclohexanone融合型複素環合成へ展開できた。ただし、インドール由来の反応と比較するとエナンチオ選択性はやや低下しており、これらの基質を用いる反応のさらなる選択性改善には不斉配位子構造の微調整が必要だと考えている。 シロキシビニル置換インドールからの生成物は光学活性ヒドロカルバゾールであり、再結晶によって光学的に純粋にできることを確認している。我々の反応の有用性を示すために天然物や生理活性物質の合成研究にも着手した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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