2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22790011
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
佐々木 道子 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (30379888)
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Keywords | カルベン / エポキシシラン / 連続反応 |
Research Abstract |
本年度は,反応の原料となるエポキシシランを有するイミニウム塩の合成と,その脱プロトン化による求核的カルベンの発生の検討を行った. まず,既知化合物であるエポキシアルデヒドとトリメチルシリルピロリジンの反応によるイミニウム塩の合成を検討したが,目的の生成物は得られなかった.しかし,エポキシアルデヒドとピロリジンの過塩素酸塩の反応を検討した結果ジクロロメタン中,室温において30分間反応させることで目的のイミニウム塩が得られることが分かった.しかし本基質を種々の塩基(LDA,LTMP,t-BuLi)で処理したところ,エポキシアルデヒドが生成するのみであった. そこで,より嵩高い置換基を持つイミニウム塩の合成を行った.まずエポキシアルデヒドとt-ブチルアミンを反応させた後,メチルトリフレートで処理することにより,窒素上にt-ブチル基とメチル基を有するイミニウム塩を合成することができた.これと種々の塩基との反応を検討したが,同様にエポキシアルデヒドのみが生成した,これらの結果は,イミニウム塩の脱プロトン化によりカルベンを発生させることは困難であることを示唆している. そこで,脱プロトン化ではなく,スズ・リチウム交換によりアニオンを発生させようと考え,プロトンのかわりにスズ置換基を有する基質の合成を検討中である.また,エポキシドとイミニウム塩部分の間に二重結合を持つ基質の合成も合わせて検討中である.
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Research Products
(14 results)