2010 Fiscal Year Annual Research Report
蛋白質の高効率的精製・ラベル化を可能とするRecapturableリンカーの開発
Project/Area Number |
22790012
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
重永 章 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (10423394)
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Keywords | アビジン / 蛋白質精製 / 蛋白質ラベル化 / ビオチン / プルダウン / ペプチド / ペプチド結合切断 / 有機合成化学 |
Research Abstract |
プロテオミクス分野における最も重要な基盤技術の一つとして、プロテオームからの標的タンパク質の精製およびその選択的ラベル化技術が挙げられる。タンパク質精製において、ビオチン修飾タンパク質のアビジンカラムによる精製が汎用される。しかし、本方法では多くの場合、精製後の標的タンパク質に非特異的吸着由来のタンパク質が混入する。このため、カラム溶出液中の標的タンパク質のみを選択的にラベル化することは困難を極める。さらに、ビオチン-アビジン間の結合は強固であるため、アビジンカラムからのビオチン修飾タンパク質の回収効率は非常に低い。 これら問題点を克服するため、本研究では、プロテオーム中にある標的タンパク質の高効率的精製・ラベル化を可能とするRecapturableリンカーの開発を目的とした。Recapturableリンカーとは、任意の条件下で切断され、その結果生じる官能基を足がかりとして再び機能性ユニットの導入が可能なリンカーと定義する。本研究では、ビオチンと標的タンパク質の間にRecapturableリンカーを導入し、標的タンパク質のアビジンカラムからの高効率的回収をリンカー切断により達成すると共に、切断の結果生じる官能基を利用して標的タンパク質のみを選択的にラベル化する方法論の開発を目指すこととした。 申請者は今年度、フッ素アニオン応答型アミノ酸の開発と、このRecapturableリンカーへの導入について検討した。この結果、(1)フッ素アニオン応答型アミノ酸の不斉合成、(2)N末端にビオチンを、C末端にアジドを有するRecapturableリンカー誘導体の合成、および(3)フッ素アニオン添加存トリガーとしたRecapturableリンカー誘導体の切断に成功した。
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Research Products
(41 results)