2012 Fiscal Year Annual Research Report
高配位ケイ素を基盤とする高活性ケイ素試薬の開発とその触媒反応への応用
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22790014
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
小谷 俊介 熊本大学, 学内共同利用施設等, 特任助教 (50551280)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 有機化学 / 薬学 / 創薬科学 / 不斉合成 / 合成・プロセス化学 |
Research Abstract |
筆者は、平成22年度から継続して、高配位ケイ素と有機分子触媒による不斉反応の開発を行ってきた。その最終年度となる今年度は、トリクロロシリルトリフラートを用いる、2つのケトン間の不斉アルドール反応ならびに不斉Baylis-Hillman反応を開発した。具体的には以下の研究成果を得た 開発したトリクロロシリルトリフラートの高いケイ素化能に注目し、アルドール受容体となるケトンを反応溶液中でトリクロロシリルエノールエーテルへ変換後、アルドール供与体となるケトンを添加することで2つのケトン間の交差アルドール反応が進行すると考えた。実際に反応を行ったところ、期待した交差アルドール付加体を高収率かつ高立体選択的に得ることに成功した。さらに、添加するケトンの順序を入れ替えることで、アルドール受容体と供与体の関係が入れ変わった交差アルドール付加体が得られることを見出した。本反応は2つの単純ケトン間の不斉交差アルドール反応の初めての例である。 さらに、昨年開発した不斉Baylis-Hillman反応について詳細な条件検討を行った結果、四塩化ケイ素を用いた際、最高で81%の不斉収率でBaylis-Hillman付加体を得ることに成功した。また、本反応系を拡張すべく、メタクロレインを基質とした、塩化水素の脱離を伴わない不斉クロロアルドール反応への応用を試みた。その結果、開発したトリクロロシリルトリフラートを用いた際、高ジアステレオ選択的にクロロアルドール体が得られ、優先して生成した付加体には良好なエナンチオ選択性が観測された。現在、本反応に関する詳細な条件検討等を実施している。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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