2010 Fiscal Year Annual Research Report
ヘテロ環の新規開環反応による簡便多置換化合物合成ならびに創薬への応用
Project/Area Number |
22790025
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Research Institution | Gifu Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
澤間 善成 岐阜薬科大学, 薬学部, 助教 (80552413)
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Keywords | ヘテロ環 / 開環反応 / 触媒 / ライブラリー構築 |
Research Abstract |
ヘテロ環は天然に存在する主要な骨格の一つであり、その官能基化は多様な化合物を合成する上で重要である。申請計画に沿って、まず、ベンジル位を有するヘテロ環状化合物のベンジル位活性化による官能基化を検討した結果、フタランやイソクロマンの様な2環性化合物では、金触媒存在下ベンジル位にアジド基を効率良く導入出来ることを見出した。一方、モノ環状化合物である2-アリールテトラヒドロフラン体では、炭素-酸素結合の開裂に伴いベンジル位のアジド化が進行した。両反応共、過去に例の無い有用な新規反応であり、日本薬学会第131回(静岡)にて発表した。また、フランと種々ベンザインとの反応により、容易に合成可能な1,4-エポキシ-1.4-ジヒドロナフタレン環の酸素-炭素結合部の開裂に伴った官能基導入を検討したところ、安価無毒な鉄触媒存在下、アリル基・シアノ基・アジド基の導入に成功し、多種ナフタレン誘導体の簡便合成法を開発した。この種の反応は、酸性条件下での反応は困難であり過去に報告例も無いが、基質制御により初めて成功した、また、同時に、従来の遷移金属を用いた手法で問題となる非対称基質への位置選択的官能基化を実現した。この結果についても、指導学生により日本薬学会第131回(静岡)にて発表した。両反応によって得られる新規骨格を有する化合物群は、有用生物活性を有する天然物の主要骨格であり、今後の創薬への応用が期待出来る。また、様々な反応に応用可能な手法であり、今後、多様な新規骨格簡便合成法として発展出来る。
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Research Products
(3 results)