2010 Fiscal Year Annual Research Report
生体内一粒子DDSイメージングと新生血管透過性制御による乳癌薬物治療の最適化
Project/Area Number |
22790031
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
河合 賢朗 東北大学, 大学院・医学系研究科, 客員准教授 (80513530)
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Keywords | 虚血性腫瘍 / 血管内皮細胞増殖因子 / Quantum Dot / マウス片側肢虚血モデル / in vivoイメージング |
Research Abstract |
先行研究では蛍光ナノ粒子を1粒子レベルで生体内を観察する技術を利用し、新生血管に特異的なDDSを実現するにあたりenhanced permeability and retention (EPR)効果を利用しうる粒子の大きさを一分子レベルで検討し位置と粒径によって動態が大きく異なることが分かった(Kawai M, Breast Cancer Res, 2009)。血管新生因子の動態観察のため、ビオチン化VEGF(Vascular Endothelial Growth Factor,血管内皮細胞増殖因子)とストレプトアビジン結合量子ドット(avidin conjugated Quantum dots:aQDs)を結合させたVEGF-aQDs複合体の作製並びにVEGFR(VEGF Receptor,血管内皮細胞増殖因子受容体)発現マウス血管内皮細胞MS1-VEGFに対する結合作用の検討を行い、新生血管のイメージングを可能にするプローブを作成した。今回は虚血型モデルの確立としてマウス肢虚血モデルを外科的に作成し、レーザードップラー還流イメージング装置を用いて血流を確認した。正常肢の血流を基準とした虚血肢の相対的血流量は、手術直後には0.08±0.01と有意に減少し(p<0.05)、21日目までに0.34±0.11まで回復した。腓腹筋の組織血管密度は、正常肢では観察日間で有意差を認めなかった。虚血肢では7日目、14日目、21日目、28日目で、それぞれ血管密度が有意に上昇していた。現在は虚血肢に対して血管透過性調節を行い、VEGF-aQDs複合体を投与してin vivoでのイメージングを行っている。プローブ分布の定量化を行い、更に一分子の挙動を詳細に観察し定量化する予定である。
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