2011 Fiscal Year Annual Research Report
生体内一粒子DDSイメージングと新生血管透過性制御による乳癌薬物治療の最適化
Project/Area Number |
22790031
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
河合 賢朗 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (80513530)
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Keywords | 虚血性腫瘍 / 血管内皮細胞増殖因子 / Quantum Dot / マウス片側肢虚血モデル / in vivoイメージング |
Research Abstract |
先行研究では蛍光ナノ粒子を1粒子レベルで生体内を観察する技術を利用し、新生血管に特異的なDDSを実現するにあたりenhanced permeability and retention (EPR)効果を利用しうる粒子の大きさを一分子レベルで検討し位置と粒径によって動態が大きく異なることが分かった(Kawai M, Breast Cancer Res, 2009)。血管新生函子の動態観察のため、ビオチン化VEGF (Vascular Endothelial Growth Factor,血管内皮細胞増殖因子)とストレプトアビジン結合量子ドット(avidin conjugated Quantum dots: aQDs)を結合させたVEGF-aQDs複合体(アビジン化VEGFとaQDsをモル比8:1で反応させたVEGF-aQDs-8を作成)による新生血管のイメージングを可能にするプローブを作成した。更にマウス肢虚血モデルを外科的に作成した。 in vivo1粒子蛍光イメージングでは、VEGF-aQDs-8はaQDsと比較して、虚血肢の血管壁に対して約3.3倍の結合が認められ、正常肢においては1.8倍の粒子の結合が認められた。また、aQDsは、正常肢と虚血肢に対する結合数に有意差がなかったが、VEGF-aQDsは、虚血肢に対して、正常肢の約2.4倍の有意な結合が認められた。さらに、血管の配行の違いによるVEGF-aQDsの分布はVEGF-aQDs-8は直線部に比べ、分岐部に対して約2.9倍の個数の蛍光粒子が有意に結合していたが正常肢における結合には有意差がなかった。分岐部の血管においては新生された血管の一部を観察している可能性がある。当研究では、独自に作成したVEGF量子ドット複合体を虚血モデルマウスに投与し、生体内のangiogenesisを誘導した虚血組織において、VEGF-Rの分布を定量的に解析することに成功した。
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