2011 Fiscal Year Annual Research Report
肥満症を基盤とする脳傷害の機序解明に向けた多面的アプローチ
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22790039
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
大和 真由実 九州大学, 先端融合医療レドックスナビ研究拠点, 准教授 (30380695)
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Keywords | 肥満症 / 脳機能 / 酸化ストレス / 代謝調節 |
Research Abstract |
前年度に行った検討から、高脂肪食摂取・肥満モデルマウスでは、放射状水迷路を用いた脳機能評価において学習障害が認められた。しかしながら、血漿中の脂質過酸化物蓄積など全身的な酸化ストレスマーカーの上昇は認められるものの、脳においてはレドックス変動に変化は認められなかった。肥満症が多臓器間のクロストークにより進行するため、他の臓器の障害の結果、脳機能にも影響を及ぼしているのではないかと考え、本年度は肝臓の代謝機能ならびに骨格筋運動機能について検討を行った。 (1)肥満モデルマウスの肝代謝機能の解析 動物は、C57/BL6(雄性、8週齢)を用い、日本クレア社のHFD-32を8週間摂取させた。その後、肥満症に対するレドックス変動を薬理学的に明らかにすること、また治療効果を目的として、酸化・還元両反応に関わるTempolを自由飲水させ、継続して4週間飼育した。計12週間の高脂肪食摂取により、著しい体重・体脂肪率の増加、および耐糖能が認められた。Tempol飲水によって改善効果は認められなかった。血漿中脂質過酸化物の蓄積については、Tempol飲水群で改善する傾向が認められた(p=0.059)。 NAD+/NADH比は、代謝調節を担う重要なレドックスペアとして知られている。そこで、肝臓中のNADおよびNADHを測定したところ、肥満マウスにおいて各濃度の低下が認められた。比については、上昇していた。肝臓中のトリグリセリドなどの変化は認められなかった。その原因の一つとして、TempolのNAD+/NADH比上昇しつつもβ酸化などの酵素反応に必要なNAD+量が不足しているのではないかと考えられた。 (2)肥満マウスにおける運動機能の解析 インシュリン抵抗性によって、運動機能抵抗性が形成されるという報告がある。そこで、運動機能について、前肢の握力測定および前後肢を使ったぶらさがり時間を測定することで評価した。肥満症においては、-著しくこれらの運動機能の低下が認められ、Tempol飲水群においても改善は認められなかった。
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Research Products
(1 results)