2012 Fiscal Year Annual Research Report
糖鎖多分岐修飾シクロデキストリンによる腫瘍細胞選択的抗癌剤デリバリー法の構築
Project/Area Number |
22790040
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
本山 敬一 熊本大学, その他の研究科, 講師 (50515608)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | 癌 / 薬学 / シクロデキストリン / DDS |
Research Abstract |
本研究の目的は、葉酸修飾シクロデキストリン (FA-CyD) を用いて腫瘍細胞選択的な細胞障害性を有する抗癌剤デリバリー用キャリアを構築することである。 即ち、腫瘍細胞で発現が上昇する脂質マイクロドメイン (ラフト) との相互作用により抗腫瘍効果が期待されるメチル-β-シクロデキストリン (M-β-CyD) を用いて、新たに葉酸修飾 M-β-CyD (FA-M-β-CyD) を調製し、腫瘍細胞上に高発現する葉酸レセプター (FR) を特異的に認識する腫瘍細胞選択的キャリアを構築することである。本研究では、M-β-CyD をアミノ化した後、葉酸 (FA) との脱水縮合反応により、モル比 1:1 で結合した FA-M-β-CyD を新規に調製した。FA-M-β-CyD は、抗癌剤ドキソルビシン (DOX) と極めて安定な包接複合体を形成することが明らかとなった。DOX/FA-M-β-CyD 複合体は、FR を介して細胞内に取り込まれ、DOX の殺細胞効果を増強させた。さらに、Colon-26 細胞をマウス皮下に同種移植した担がんマウスにおいて、DOX/FA-M-β-CyD 複合体は、静脈内投与において、DOX 単独および DOX/M-β-CyD 複合体よりも優れた抗腫瘍活性を示した。また、FA-M-β-CyD は担がんマウスにおいて、DOX の副作用を軽減することが示唆された。以上の結果より、FA-M-β-CyD は、in vitro および in vivo において、FR 高発現細胞選択的抗がん剤キャリアとして優れた性質を有することが示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|