2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22790044
|
Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
岩尾 康範 静岡県立大学, 薬学部, 助教 (30433022)
|
Keywords | 製剤学 |
Research Abstract |
本研究は,遺伝子組換え技術及びエマルション技術を駆使して,"新規経口アルブミン製剤"を開発することを目的として企図された. 1)遺伝子組換え1残基置換アルブミン変異体の小腸上皮細胞における取り込み解析 Yeast-E.coliのシャトルベクターpPIC9上にHSAcDNAを挿入し,部位特異的変異法により,薬物結合に重要なアミノ酸残基をアラニンへ1残基置換させた変異体5種類をPichia酵母により作製し,小腸上皮細胞への透過性を評価した.その結果,ドメインIとIIIのアミノ酸を変異させたもの(R410Aなど)が,若干ではあるが,膜透過性が亢進する傾向にあることが明らかとなった. 2)新規生分解性合成高分子を用いたマイクロスフェアからの薬物放出挙動解析 異なる分子量,分子量分布,組成を有する生分解性高分子(乳酸重合体(PLA),乳酸-グルコール酸重合体(PLGA),乳酸-ポリエチレングリコールブロック重合体(PLAPEG))15種を新規に合成し,そのマイクロスフェアを調製後,薬物放出挙動の解析を行った.その結果.分子量が100kDaと比較的大きいPLA-3と分子量が大きく,かつPEG組成比が4%と低いPLAPEG9604が,最も徐放性を示す優れた高分子であることが明らかとなった. 今後,膜透過性に優れたアミノ酸残基の詳細な情報を得ることができれば,この徐放性に優れた合成高分子を用い,経口アルブミン製剤の開発が可能になるものと思われる.
|
Research Products
(4 results)