2012 Fiscal Year Annual Research Report
先端的がん治療に向けた全身投与型siRNAデリバリーシステムの開発
Project/Area Number |
22790045
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
浅井 知浩 静岡県立大学, 薬学部, 准教授 (00381731)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | RNA干渉 / siRNA / がん / DDS / リポソーム |
Research Abstract |
昨年度までに化学修飾siRNAを用いた脂質ナノ粒子形成について実験を実施し、small interfering RNA(siRNA)の物理化学的性質を化学修飾によって改善することにより、優れたデリバリーシステムを構築可能なことを明らかにしてきた。本年度は、治療標的としてセリン・スレオニンキナーゼの一種であるmammalian target of rapamycin(mTOR)に着目し、申請者らが開発したデリバリーシステムのがん治療応用を図るための研究を中心に行った。mTORは細胞周期の進行、血管新生などに関与することが知られている。そこでmTORを標的とした腫瘍RNA干渉療法の開発を目的とし、mTORに対するsiRNA(simTOR)の腫瘍及び新生血管への選択的デリバリーを試みた。VEGF receptor-1に対して結合性を示すペプチド(Ala-Pro-Arg-Pro-Gly)をsimTOR搭載TEPA-PCLに修飾し、マウス内皮細胞様細胞2H-11細胞、マウスメラノーマ細胞B16F10細胞に導入した。その結果、siRNA搭載TEPA-PCLはmTOR のmRNAおよびタンパク質の発現を特異的に抑制し、さらには両細胞の増殖ならびに2H-11細胞の管腔形成を有意に阻害した。次に肺転移がんモデルマウスに放射標識TEPA-PCLを静脈内投与し、その体内動態を解析した。その結果、ペプチドを修飾したTEPA-PCLが肺転移巣に有意に集積することが明らかになった。さらに、肺転移がんモデルマウスを用いた治療実験において、ペプチド修飾TEPA-PCLを用いて全身投与した simTORは有意な腫瘍増殖抑制効果を示した。以上よりsimTOR全身投与による腫瘍RNA干渉療法の有効性が示唆されるとともに、化学修飾siRNAを用いたナノ粒子設計の有用性がインビボにおいても証明された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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