2010 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内微小環境変化を検知するバイオハイブリッド型蛍光プローブの開発
Project/Area Number |
22790048
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
西尾 忠 慶應義塾大学, 薬学部, 助教 (80401892)
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Keywords | 環境応答型蛍光ポリマー / 細胞内環境変化 / 細胞蛍光イメージング / バイオハイブリッド型蛍光プローブ / 温度応答性 / pH応答性 |
Research Abstract |
細胞内の温度やpHをはじめとする環境変化やシグナル伝達物質の精密な動態解析が可能となれば,病気の発症予測や進行度の検証,薬物療法を行った際の効果確認に非常に有用である.本研究では,環境刺激に鋭敏かつ可逆的に応答する機能性ポリマーを基盤とするバイオハイブリッド型蛍光プローブの開発と細胞内環境変化のイメージングを目的としている.本年度は主に環境応答型蛍光ポリマーの設計及び合成研究を行った.温度応答性ポリマーであるボリ-N-イソプロピルアクリルアミドは下限臨界溶液温度(32℃)を境に低温域で親水性,高温域で疎水性を示す.これに親水性条件下で強い蛍光を発するフルオレセイン誘導体を0.1mol%導入し,温度応答性蛍光ポリマーを合成した.このポリマーは期待通り,下限臨界溶液温度(30.5℃)を境に低温域で強い蛍光を発し,高温域で急激な蛍光強度の減弱が確認された.またフルオレセインは酸解離定数を6.5に有し,より塩基性条件下で強い蛍光を発することが知られているが,合成ポリマーはこのpH応答性も有していた.これにより,温度,pHの両環境変化に応答する蛍光ポリマーを開発した,また,フルオレセインの代わりに,ダンシルクロリド誘導体を導入したポリマーは下限臨界溶液温度を境に,高温-強蛍光,低温-弱蛍光性を示した,次いでこの蛍光ポリマーを,膜融合脂質であるフォスファチジルエタノールアミン誘導体と連結し,バイオハイブリッド型蛍光プローブを作製した.このプローブは,元となる蛍光ポリマーの性質を維持していた.今後,開発したプローブを用いて細胞蛍光イメージングへ展開する予定である.
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Research Products
(5 results)