2010 Fiscal Year Annual Research Report
機能性ペプチドを用いたアトピー治療用siRNAの皮内送達システム構築と経皮製剤化
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22790049
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
金沢 貴憲 東京薬科大学, 薬学部, 助教 (60434015)
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Keywords | siRNA / 経皮製剤 / AT1002 / タイトジャンクション / 細胞透過性ペプチド |
Research Abstract |
本年度は、機能性ペプチドを用いた非侵襲的なsiRNA皮内送達システムの確立に向けた検討として、種々のペプチドとのsiRNA複合体の評価、細胞内取り込み効率、マウス皮膚を用いた蛍光標識siRNAの送達性について評価した。細胞透過性ペプチドであるTATペプチド(TAT)/siRNA複合体は、粒子径約100nm、ゼータ電位10mVを、当研究室にて開発したステアリン酸(STR)、アルギニン(R)、ヒスチジン(H)、システイン(S)からなる多機能性ペプチド(STR-CH2R4H2C)のsiRNAとの複合体は、約200nm、20mVを示した。また、naked siRNAでは、RNA分解酵素混合後5時間でほとんど分解されていたのに対し、TATでは60%以上が、STR-CH2R4H2Cでは80%以上のsiRNAが安定であった。次に、マウス樹状細胞(JAWS II細胞)を用いて、蛍光標識siRNAの細胞内取り込み効率をFACSにより測定した結果、両ペプチドを用いる事でsiRNAの細胞内導入効果は向上し、特にSTR-CH2R4H2Cで非常に高い導入能を有することを明らかとした。また、マウス皮膚を用いて蛍光標識siRNAの皮内送達性を検討した。その結果、TAT、STR-CH2R4H2、タイトジャンクション開口作用のあるAT1002ペプチド(AT1002)はいずれも高いsiRNAの皮内送達性を示し、さらにAT1002にTATあるいはSTRCH2R4H2Cを併用することで、siRNAの皮内送達性を著しく向上させることを明らかとした。以上より、TAT、STR-CH2R4H2CやAT1002はsiRNAの皮内送達システムの有用なツールであることが示された。
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