2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22790053
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Research Institution | Kobe Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
森田 真也 神戸薬科大学, 薬学部, 講師 (20449870)
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Keywords | ホスファチジルゴン / ホスファチジルエタノールアミン / ホスファチジルエタノールアミンメチル基転移酵素 / 抱合型胆汁酸 / 非抱合型胆汁酸 / デュラマイシン / 細胞膜 / 微絨毛 |
Research Abstract |
ホスファチジルコリン(PC)とホスファチジルエタノールアミン(PE)は、哺乳類の細胞膜を構成する主なリン脂質である。ホスファチジルエタノールアミンメチル基転移酵素(PEMT)は、アデノシルメチオニンを利用してPEをメチル化することによりPCを合成する。まず、PEMT発現による細胞内脂質量の変化について酵素定量法により検討を行ったところ、PEMT発現により細胞内PC量が増加し、PE量は減少した。また、ESI-MS/MSによりPCおよびPEのアシル鎖分析を行ったところ、PEMT発現により主に長鎖脂肪酸をもつPCおよびエーテル結合型PCが形成されていた。デュラマイシンは、環状ペプチド化合物で、膜中のPEに結合し、膜を崩壊へ導くことが知られている。PBMT安定発現細胞では、デュラマイシンに対する耐性が増加したことから、細胞膜のPEが減少していることが確認された。また、走査型顕微鏡を用いて細胞表面の微絨毛観察を行ったところ、PEMT発現により微絨毛が太くなっていることが明らかとなった。そして、PEMTが細胞膜の胆汁酸耐性に与える影響について調べたところ、PEMT安定発現細胞では、非抱合型胆汁酸(コール酸、デオキシコール酸、ケノデオキシコール酸)に対する耐性は低下したが、抱合型胆汁酸(タウロコール酸、グリココール酸、タウロデオキシコール酸、グリコデオキシコール酸、タウロケノデオキシコール酸、グリコケノデオキシコール酸)に対する耐性は上昇した。この原因として、PEMT発現により、細胞表面のリン脂質組成ならびに微絨毛構造が変化したことが挙げられる。毛細胆管中の大半の胆汁酸が抱合型として存在しているため、PEMTは、肝細胞の胆汁酸耐性獲得において重要な働きをしていると考えられる。
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Research Products
(21 results)
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[Journal Article] Essential role of neuron-enriched diacylglycerol kinase (DGK), DGKb in neurite spine formation, contributing to cognitive function2010
Author(s)
Yasuhito Shirai, Takeshi Kouzuki, Kenichi Kakefuda, Shigeki Moriguchi, Atsushi Oyagi, Kyoji Horie, Shin-ya Morita, Masamitsu Shimazawa, Kohji Fukunaga, Junji Takeda, Naoaki Saito, Hideaki Hara
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Journal Title
PLoS ONE
Volume: 5
Pages: 7
Peer Reviewed
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