2010 Fiscal Year Annual Research Report
家族性パーキンソン病病因遺伝子産物LRRK2の生理・病理学的基質の探索
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22790058
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
伊藤 弦太 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (10431892)
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Keywords | パーキンソン病 / キナーゼ / GTP結合蛋白質 |
Research Abstract |
優性遺伝性パーキンソン病(FPD)の中でも頻度の高いPARK8の病因遺伝子としてLRRK2(leucine-rich repeat kinase 2)遺伝子が同定された。LRRK2蛋白質は、Ras様GTP結合ドメイン、プロテインキナーゼドメインを併せ持つ、2527アミノ酸からなる蛋白質である。FPD変異型LRRK2を神経細胞に過剰発現すると、そのキナーゼ活性依存的に神経細胞死や神経突起の退縮が生じることから、LRRK2のキナーゼ活性が神経細胞死に重要である可能性が考えられている。これまでにLRRK2のin vitroにおける基質蛋白質として報告されているMoesinや4E-BP1などは、細胞内の生理的条件下においてはLRRK2の基質とならないことが知られており、生理的基質の同定が待たれている。本研究では、LRRK2による基質リン酸化が神経細胞変性に果たす役割を明らかにすることを目的として、まず基質蛋白質のスクリーニングを行った。ファージcDNAライブラリーを用いて大腸菌に発現させたポリペプチドを膜に転写し、膜上で精製LRRK2を用いてリン酸化反応を行う実験系の確立に成功した。本実験系を用いて、基質のスクリーニングを進めていく予定である。また、LRRK2の基質配列特異性が報告されており、Thr-X-Arg(Xは任意のアミノ酸)モチーフに含まれるThrを効率よくリン酸化することが知られている。そこで、このモチーフを有する蛋白質をデータベース検索によりピックアップした。全長蛋白質を用いたin vitroリン酸化反応により、ピックアップした蛋白質のうち、Atg4b、synaptotagmin-1など複数の蛋白質がLRRK2によるリン酸化を受けることを見出した。これらの蛋白質のリン酸化の機能的意義を解析することにより、LRRK2による神経変性の機序が明らかになると期待される。
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Research Products
(3 results)