2010 Fiscal Year Annual Research Report
骨組織選択的なエストロゲンおよびアンドロゲン受容体作働薬の解析
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22790062
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
平田 美智子 東京農工大学, 大学院・工学研究院, 助教 (40544060)
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Keywords | 骨粗鬆症 / エストロゲン / アンドロゲン / 受容体作働薬 |
Research Abstract |
骨組織は骨吸収と骨形成のバランスにより、一定の骨量を保っている。骨代謝は性ホルモンにより制御され、女性は閉経によりエストロゲンが欠乏すると閉経後骨粗鬆症、男性は加齢によるアンドロゲン低下により、老人性骨粗鬆症を発症する。骨粗鬆症の治療法として、エストロゲン補充療法があるが、骨量回復作用は良好であるが、女性生殖器作用から乳がんや子宮がんのリスクが高まることが問題である。骨組織選択的エストロゲン作働薬としてラロキシフェンが臨床応用されているが、適用は女性のみであり、男女ともに服用可能な安全性の高い薬剤が必須となっている。本研究では、カルボラン化合物であるBE360、BE380、BE381を用い、新規骨粗鬆症治療薬の創生を目指している。平成22年度、BE360、BE380、BE381を用い、エストロゲン受容体への結合活性を調べ、また、エストロゲン応答配列に対する転写活性を解析した。その結果、エストロゲン受容体への結合活性は、BE360とBE381は強力な結合活性を示し、その強度はエストラジオールに匹敵した。BE380のエストロゲン受容体への結合活性は、BE360やBE381に比較して低下した。従って、類似構造のカルボラン化合物でも、カルボラン骨格の一方が延びることにより結合活性が変化することが明らかとなった。次に、線維芽細胞にEREを組み込んだルシフェラーゼ発現ベクターを導入し、エストロゲン応答配列を介した転写活性を検討したところ、BE380はアゴニスト活性を示し、一方、BE381はアンタゴニスト活性を示した。BE360はアンタゴニスト活性を示すが、高い濃度では、弱いアゴニスト活性を示した。これら知見は今後の骨選択治療薬の開発における基盤知見となる。
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Research Products
(8 results)