2010 Fiscal Year Annual Research Report
ペルオキシソーム膜上に存在する新規膜タンパク質挿入装置の同定と機能解析
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22790064
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
柏山 恭範 富山大学, 大学院・医学薬学研究部(薬学), 助教 (20401812)
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Keywords | タンパク質輸送 / 細胞内小器官 / ペルオキシソーム |
Research Abstract |
膜タンパク質の生体膜への透過挿入機構は真核細胞におけるオルガネラ形成及び機能発現において重要である。しかしながら、ペルオキシソーム膜タンパク質の局在及び膜挿入機構についてはほとんど明らかにされていない。ペルオキシソームは、脂質代謝に重要なオルガネラで、その形成異常は重篤な脂質代謝異常症を引き起こす。そこで本研究ではペルオキシソーム膜上に存在が想定されるペルオキシソーム膜タンパク質挿入装置を同定し、ペルオキシソーム膜タンパク質の膜挿入機構の詳細について分子レベルで明らかにすることを目的としている。本年度は、ペルオキシソーム膜タンパク質の局在に関与すると考えられているペルオキシソーム形成因子Pex3p及びPex19pを大腸菌により精製し、その相互作用について解析を行っだ。その結果、Pex19pはそのN末端領域でペルオキシソーム膜上に存在するPex3pと強固に相互作用することを明らかにした。また、Pex3p-Pex19p複合体の構造をX線結晶構造解析により明らかにし、Pex3pとPex19pの相互作用について分子レベルで明らかにすることに成功した。Pex19pは細胞質中で生合成されたペルオキシソーム膜タンパク質を捕捉し、可溶性複合体を形成することが知られている。したがって、本研究により細胞質中でペルオキシソーム膜タンパク質と複合体を形成しだPex19pはその後ペルオキシソーム膜上に存在するPex3pと特異的に相互作用することが示唆され、このPex3p-Pex19p相互作用を介してペルオキシソーム膜にアンカーされたペルオキシソーム膜タンパク質がその後ペルオキシソーム膜に挿入されるというペルオキシソーム膜タンパク質のペルオキシソームへの局在から膜挿入に至る一連の分子メカニズムを明らかにすることができた。
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Research Products
(5 results)