2010 Fiscal Year Annual Research Report
種々の分子シャペロンのアルツハイマー病に対する効果
Project/Area Number |
22790073
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
星野 竜也 熊本大学, 大学院・生命科学研究部, 助教 (70457589)
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Keywords | 分子シャペロン / アルツハイマー / アミロイド |
Research Abstract |
(1)種々の分子シャペロンのβアミロイド凝集に対する効果 最近我々は精製したHSP25やHS70が、試験管内でβアミロイドの凝集を抑制することを見出した。一方、HSP32、 HSP47、HSP60にはこのような活性がないことも見出した。そこでこの方法を用いて、他のHSP (HSP90, HSP104)、及び小胞体シャペロン(calreticulin, calnexin, GRP78, GRP94, 0RP150)に関しても、βアミロイドの凝集を抑制するかを検討した。各分子シャペロンの精製は、バキュロウィルスを用いてこれらを過剰発現させた昆虫細胞から行った。その結果、HSP90、及びGRP78が試験管内でβアミロイドの凝集を抑制することを見出した。しかしながらその活性は、HSP70よりも弱かった。 一方、細胞内でのβアミロイド凝集に対する種々の分子シャペロンの効果も検討した。具体的には、細胞内でβアミロイドを過剰発現させ、凝集したβアミロイドを遠心法で検出する系において、種々の分子シャペロンの過剰発現の効果を検討した。その結果、HSP70において最も強いβアミロイド凝集阻害活性が見られた。 (2)種々の分子シャペロンの抗炎症作用 最近我々は、炎症性細胞においてHSP70を過剰発現させると、炎症性サイトカインの発現・産生が抑制されること、及びこの機構としてHSP70が炎症誘導性転写因子であるNF-κBの活性を直接抑制することを見出した。そこで今年度我々は、他の分子シャペロン(HSP25, HSP32, HSP47, HSP60, HSP70, HSP90, HSP104, calreticulin, calnlexin, GRP78、GRP94, ORP150)を炎症性細胞で過剰発現させ、炎症性サイトカインの発現・産生を抑制するかを調べた。その結果、HSP32, HSP60, HSP70, HSP90, GRP78において抗炎症作用が見られた。
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Research Products
(3 results)