2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22790074
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Research Institution | Gifu Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
松永 俊之 岐阜薬科大学, 薬学部, 准教授 (80306274)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 癌 / 還元酵素 / 抗癌剤 / 過酸化脂質 |
Research Abstract |
4種のアルドケト還元酵素(AKR) (1B10, 1C1, 1C2と1C3)の精製酵素を用いてマイトマイシンC (MMC)やドキソルビシン(DOX)の還元代謝能を測定したところ、その活性は1C3>1B10>1C1・1C2の順に高かった。また、MMC耐性大腸癌HT29細胞の培地中MMC量の減少速度は非耐性細胞よりも速く、それと同程度のMMC減少速度がAKR1B10過剰発現細胞において認められたことから、AKR1B10の発現上昇による(抗酸化能だけでなく)MMC還元代謝能の亢進もMMC耐性獲得の一序となることが示唆された。 既存の酸化ストレス誘導剤(過酸化水素, グルコースオキシダーゼ, フェナントラキノン)での処理は、HT29細胞中のAKR1B10の還元活性に対してほとんど影響を及ぼさなかったが、一酸化窒素ドナーでは酵素活性に変動が見られた(低濃度において一時的に活性が増加したが、高濃度では顕著に減少)。また、AKR1B10のパーオキシナイトライト修飾の有無を免疫沈降法とウェスタンブロット分析によって調べたところ、HT29細胞中の全AKR1B10に対するニトロ化AKR1B10の割合はMMC耐性化に伴って減少した。さらに、化学的に合成したパーオキシナイトライトでの処理は、AKR1B10精製酵素の還元活性を若干減少させたことから、MMC耐性化時の抗酸化能や抗癌剤代謝能の亢進機序として、AKR1B10発現量の著増と活性の低いニトロ化体の相対的な減少が考えられた。 プロポリス含有成分カフェ酸フェネチルエステルの誘導体やマンゴスチン成分は強力かつ選択的なAKR1B10阻害作用をもつことを見出した。これらの阻害剤でのHT29細胞の処理はMMC耐性克服効果を発現したことから、これら阻害剤のMMC耐性大腸癌のアジュバント療法剤としての有用性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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