2010 Fiscal Year Annual Research Report
これまで植物糖として考えられてきたキシロース含有糖鎖の神経系における機能の解明
Project/Area Number |
22790076
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
矢木 宏和 名古屋市立大学, 大学院・薬学研究科, 助教 (70565423)
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Keywords | 糖鎖 / キシロース含有糖鎖 / 神経系 / キシロース転移酵素 |
Research Abstract |
本研究では、高等動物の脳神経系においてキシロース含有糖鎖がこれまで知られていない普遍的な高次機能を担っているのではないかという着想のもとに、この糖鎖の担う役割を解明することを目指している。本年度はまず、キシロース含有糖鎖を介した相互作用に関与する因子(レクチン、結合タンパク質、キシロース分解酵素)の探索を試みた。しかしながら、未だ候補分子を見出すには至っていない。その理由として、どの因子も生体内の存在量が非常に低いことが考えられる。そこで今後は、これまでに樹立することができているキシロース転移酵素様タンパク質であるaer61およびago61の遺伝子欠損マウスを適切な対照試料として利用することにより、相互作用因子を見出すことを計画している。 これまでに、in situハイブリダイゼッションにより、aer61およびago61のmRNAはともにマウスの大脳、海馬、小脳に発現量が多く、また特にニューロンに発現していることが明らかとしているが、タンパク質レベルでも同様の局在を示すことを明らかにした。また、細胞免疫染色により、aer61, ago61はともにER-Golgi間に局在していることを見出した。今後は、ago61遺伝子欠損マウスの胎生致死の原因を明らかにすることで、キシロース含有糖鎖の機能解明を目指す。
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