2013 Fiscal Year Annual Research Report
線虫腸細胞における環境ストレス感知応答機構の分子基盤の解析
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22790081
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
白石 博久 岩手医科大学, 薬学部, 講師 (80393156)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 線虫 / 腸細胞 / 飢餓ストレス / ペントースリン酸回路 / 電子顕微鏡観察 / RNAiスクリーニング / 薬学 |
Research Abstract |
研究費交付最終年度である平成25年度は、(1)前年度のRNAiスクリーニングで得られた陽性クローン関連遺伝子の各種腸内顆粒形成に及ぼす影響の解析、および(2)飢餓条件下における野生型腸内顆粒の経時変化の透過型電子顕微鏡観察、を中心に行った。 (1)clear phenotypeに着目した前年度のRNAiスクリーニングから、飢餓状態と良く似た腸内顆粒の形成異常を伴う表現型を示す候補遺伝子として、ペントースリン酸回路で働く酵素遺伝子tkt-1を同定していた。そこで、ペントースリン酸回路とその派生経路(核酸合成、脂肪酸合成、レドックス制御)で働く遺伝子のうち、RNAi用大腸菌の入手可能な16種の遺伝子について解析した結果、ペントースリン酸回路で働く4種の遺伝子(tkt-1, gspd-1 等)の他に、レドックス制御に関わるグルタチオン還元酵素gsr-1のRNAiによって特に顕著な腸内顆粒形成異常が観察された。tkt-1, gspd-1のRNAiはHAF-4/HAF-9陽性顆粒と脂肪滴に選択的な消失もしくは矮小化が認められた。一方gsr-1 RNAiは、HAF-4::GFPの局在に網目状の特徴的な異常を引き起した。本解析は本研究補助金で雇用した技術補佐員の協力を得て遂行し、成果は6月に米国ロサンゼルスにて開催された第19回国際線虫学会にて発表した。 (2)餌の無い環境で成虫1日目の個体を飼育し、透過型電子顕微鏡を用いて飢餓条件下の腸細胞内膜構造の変動を経時的に調べた。その結果、細胞の飢餓応答に特徴的なオートファゴソームよりもむしろ、HAF-4/HAF-9陽性顆粒の崩壊過程と予想される特徴的な顆粒が顕著に観察された(飢餓3時間)。更に、顆粒の多くが消失した後(飢餓5時間)、歪な半月状の膜構造体が出現した(飢餓21時間)。本成果は、平成26年5月に秋田にて開催された生化学会東北支部会にて発表した。 以上の結果は、細胞内栄養代謝経路の機能不全や飢餓ストレスに伴うダイナミックな腸細胞内膜構造の変動の存在を示している。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)