2012 Fiscal Year Annual Research Report
脊椎動物ケミカルジェネティクスによるWnt経路阻害剤の作用機構解明
Project/Area Number |
22790082
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
西谷 直之 岩手医科大学, 薬学部, 講師 (10286867)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | シグナル伝達 / 発生・分化 / 癌 / 再生医学 / 薬学 |
Research Abstract |
IMU14とその誘導体IMU1003は、ゼブラフィッシュ胚を用いた斬新なWnt/β-catenin経路阻害剤の探索系によって同定された。本研究では、「IMU14誘導体はβ-cateninの核内機能を阻害することによってWntシグナルを抑制する。」という仮説の検証を目的とし、新たな抗がん剤リード化合物の作用機構解明を試みた。本年度は、前年度中に作成したIMU1003アフィニティーレジンを用い、IMU1003結合タンパク質複合体中から、IMU1003の薬理作用に関わる因子を同定し、作用機構の解明を試みた。 IMU1003結合タンパク質複合体中に、β-cateninの安定性を制御するセリンスレオニンキナーゼGSK-3βが含まれることが明らかとなった。また、GSK-3βのIMU1003レジンへの結合が、IMU1003による競合反応によって減弱したことから、この結合の特異性が示された。さらに、GSK-3βの組み換えタンパク質を用いたin vitro キナーゼ反応へのIMU1003の影響を検討した。しかし、現在のところ、IMU1003によるGSK-3キナーゼ活性への直接的影響は確認されていない。他の因子を介した間接的な制御も視野に入れ、作用の詳細を検討中である。 IMU1003は、GSK-3阻害による体軸の後方化を正常に回復させる化合物として同定された低分子化合物ある。今回、逆に、IMU1003によって引き起こされた前方化が、GSK-3機能阻害で正常に回復するかを観察した。その結果、GSK-3阻害剤がIMU1003の作用を打ち消すことが観察された。すなわち、GSK-3阻害剤とIMU1003の作用点は、シグナルの上流とも下流ともなり得る位置関係にあることが予想された。本結果も間接的に、IMU1003の標的がGSK-3βかそのごく近傍であることを示唆している。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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