2011 Fiscal Year Annual Research Report
炎症刺激により産生される新奇生理活性リン脂質の同定とその機能に関する研究
Project/Area Number |
22790084
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
桑田 浩 昭和大学, 薬学部, 講師 (80286864)
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Keywords | 生理活性脂質 / ホスホリパーゼA2 / ケモカイン |
Research Abstract |
IIA型ホスホリパーゼA2 (sPLA2-IIA)及びケモカイン群の発現を制御するリン脂質性生理活性脂質(PhospholipidX: PLX)の同定を第一の目標とし、さらに、生体内での機能についても検討を行った。PLXの同定については、12/15-リポキシゲナーゼ過剰発現3Y1細胞より総脂質を調製し、逆相高速液体クロマトグラフィーで分離後、各溶出画分のsPLA2-IIAの発現に対する効果を検討した。その後、活性溶出画分について、過塩素酸処理(エポキシドの水解)を行い、活性の変化と分子量の変化する分子を検索した。その結果、複数存在するPLX活性のうち、逆相HPLC分画において比較的溶出時間のはやい画分で過塩素酸処理により活性が低下するものが存在した。この画分に存在するホスファチジルコリン(PC)の分子種をLCMSにより解析を行ったが、過塩素酸処理により、1,2-グリコール構造を有する化合物、すなわち水解反応により分子量が18増加し、且つこの処理後のアセチル化により分子量84(CH3CO x2分子)増加するものは検出できなかった。従って、PLX活性を示す活性本体は、低濃度しか存在しないか、あるいはPC以外のヘッドグループを有しているリン脂質である可能性が考えられた。 PLXの生体内での機能について、LPS投与による全身性炎症マウスモデルの各臓器でのケモカイン発現に対するホスホリパーゼA2(PLA2)阻害剤アラキドニルトリフルオロメチルケトン(ATK)の効果を検討した。その結果、ATK処理により、肝臓、肺、胸腺において、一部のケモカインの誘導が有意に抑制されることが明らかとなった。
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Research Products
(8 results)