2010 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト肝細胞移植マウスを利用したヒトにおける医薬品代謝物の生成予測
Project/Area Number |
22790109
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
佐能 正剛 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (00552267)
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Keywords | ヒト肝キメラマウス / 肝細胞 / 薬物代謝酵素 / 代謝物予測 |
Research Abstract |
医薬品のうち、10数化合物を取り上げ、マウスに肝細胞を移植した「ヒト肝キメラマウス」を用いて、ヒトにおける薬物代謝を定性的・定量的に予測できるかどうかの検証をin vitro/in vivo両面からのアプローチから行うことを研究目的としている。本年度は以下のような成果をあげた。 1.In vivoからのアプローチ:解熱鎮痛剤であるイブプロフェン、ナプロキセン、抗うつ薬であるミルタザピンなどをヒト肝キメラマウスに投与し、その尿および糞中に排泄された代謝物をLC/MS/MSを用いて検索した。その結果は、実際ヒトで報告されている代謝プロファイルに反映していることが示された。さらには、その他にも10化合物程度の医薬品をヒト肝キメラマウスに投与し、血中動態、代謝物について検索している。 2.In vitroからのアプローチ;ヒト肝キメラマウスから単離した肝細胞を用いて医薬品を代謝反応させ、その代謝物の生成や代謝速度を評価した。その結果、in vitroで生成された代謝物は実際のヒトで報告されている代謝プロファイルに反映していたものとそうでないものに分類された。 今後、さらに評価する医薬品を増やして、ヒト肝キメラマウスを用いて代謝予測できるものできないものを分類し、その原因を追究していきたい。また定性的側面だけでなく、代謝物の生成量や代謝速度など定量的側面からの予測も可能かどうかの検証も同時に行い、評価化合物を増やしてその予測精度を見極めていきたいと考えている。
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