2011 Fiscal Year Annual Research Report
PKC-ε選択的活性化による新規抗認知症治療剤創製と新規ターゲット探索
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22790120
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Research Institution | Hyogo University of Health Sciences |
Principal Investigator |
清水 忠 兵庫医療大学, 薬学部, 助教 (40509022)
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Keywords | PKC-e / 認知症治療剤 / DCP-LA / 構造活性相関 / ターゲット探索 |
Research Abstract |
【申請時の研究目的および計画】 1)光学活性DCP-LA大量合成法の開拓および薬理評価(H22年度) 2)誘導体合成および構造活性相関研究(H22年度~H23年度) 3)ターゲット探索(アフィニティ樹脂)(H23年度~24年度) 【H23年度研究進捗状況】 研究計画1では22年度に引き続き、大量合成法の開拓研究を進めた。当初計画していた合成ルートが大量合成に適さない問題が生じたものの、元の合成ルートで大量合成に不向きな部分を改良することにより、in vivoでの活性試験が可能な量の光学活性DCP-LAを取得可能なルートの構築に成功した。さらに、ラット脳海馬スライスを用いたグルタミン酸、ドーパミン、セロトニンの放出活性を調べたところ、全ての異性体が活性を有し、in vivoにおいてもα,β-DCP-LAが最も高い活性を持つことを明らかとした。 研究計画2の誘導体合成および構造活性相関研究では、DCP-LAと同様の活性を有し、DCP-LAよりも合成が容易な誘導体を見出すことができた。H24年度では、新規誘導体のin vivo実験およびDCP-LAを大きく凌ぐ誘導体の発見を目指し構造活性相関研究を続けていく予定である。 研究計画3のターゲット探索研究はH22年度に同定した数種類の候補タンパク質について、ターゲットバリデーションを進め、現段階で物理化学的アプローチおよび分子生物学的アプローチ両面でターゲットと考えられる蛋白質を絞り込むことに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究目的1の合成法確立は当初計画した合成ルートでの達成はできなかったものの、元のルートを改良することにより予定していたH23年度内にin vivoでの実験を達成できた(in vivoデータはH24年4月論文発表、合成法はH24年度中論文発表予定)。さらに、研究目的2の誘導体合成もH23年度内に新規誘導体を発見することに成功した(論文投稿中)。研究目的3のターゲット探索もH24年度中には一定の成果を達成できる見込みである。以上の進展状況から研究はおおむね順調に推移していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
H24年度は本研究計画の最終年度となるため、本研究の完了およびこれまでの成果の公開を行っていく予定である。研究の推進に関しては、研究計画3のターゲット探索研究に重点を置いて展開する予定である。H23年度から進めている物理化学的アプローチおよび分子生物学的アプローチ両面でのターゲット蛋白質のvalidationデータを固め、DCP-LAのターゲット蛋白質を同定する予定である。さらに、本成果をベースとした新規テーマへと展開していく計画である。一方、成果の公開に関しては、年度内に研究計画1および2の報文化を行い、社会への公開をする計画である。
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Research Products
(3 results)