2011 Fiscal Year Annual Research Report
グルタチオントランスフェラーゼ検出プローブを用いた細胞内スクリーニング創薬
Project/Area Number |
22790124
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
柴田 綾 独立行政法人理化学研究所, 伊藤ナノ医工学研究室, 基礎科学特別研究員 (50462693)
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Keywords | グルタチオン-S-トランスフェラーゼ / アリールスルホニル基 / 芳香族求核置換反応 |
Research Abstract |
グルタチオン-S-トランスフェラーゼ(GST)は、フェーズIIに属する解毒系酵素であり、疎水性化合物に対するグルタチオン(GSH)の求核攻撃を触媒する。このGSTの過剰発現が腫瘍の薬剤耐性の一因となっているため、細胞内のGST活性レベルを知ることは、抗がん治療において投与する薬剤選定等の決定のための重要な指針になる。しかし、既存のGST検出プローブは蛍光を発する際に基質がGSH抱合体となり、多剤耐性タンパク質により速やかに体外に排出されてしまうことから、生体への応用は困難であった。このことから、GST/GSH薬剤排出機構の影響を受けないGST検出プローブの開発は、GSTを標的とした細胞内イメージング等へと研究展開を図る上で非常に重要である。本研究ではアリールスルホニル基を保護基に用いて、基質自身はGSH修飾を受けず排出機構の影響を受けない、細胞内で定量性に優れた検出プローブ開発を試みた。 本年度は、前年度に開発したアリールスルホニル保護基を蛍光以外のシグナル発生分子へと応用した。化学発光および19F-NMRを用いたGST検出プローブを開発した。これらのプローブを用いて大腸菌内のGSTのイメージングに成功した。また、抗がん剤の一種であるドキソルビシンのアミノ基へアリールスルホニル基を導入し、プロドラック化を試みた。この結果、アリールスルホニル保護ドキソルビシンはGST高発現株でより高い薬効を示すことを確認できた。
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[Journal Article] Characterization of new potential anticancer drugs designed to overcome glutathione transferase mediated resistance2011
Author(s)
Johansson K, Ito M, Schophuizen CM, Mathew Thengumtharayil S, Heuser VD, Zhang J, Shimoji M, Vahter M, Ang WH, Dyson PJ, Shibata A, Shuto S, Ito Y, Abe H, Morgenstern R
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Journal Title
Molecular Pharmaceutics
Volume: 8
Pages: 1698-1708
DOI
Peer Reviewed
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