2011 Fiscal Year Annual Research Report
亜ヒ酸製剤とレチノイン酸の併用療法への適用を目指した研究
Project/Area Number |
22790137
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Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
角 大悟 徳島文理大学, 薬学部, 准教授 (30400683)
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Keywords | 白血病 / 亜ヒ酸製剤 / 細胞分化 / レチノイン酸 / 転写因子 |
Research Abstract |
本研究は急性前骨髄球性白血病(APL)の治療薬として、亜ヒ酸(ATO)とレチノイン酸(ATRA)の併用療法を目指す基礎的な知見を得ようとするものである。本年度は、ヒト急性骨髄性白血病HL-60細胞にATRAを添加するときに得られる分化誘導作用を細胞表面に出現するCD11bの定量測定系(FACS)を用いて検討した。その結果、ATRAの添加によりCD11bの誘導が見られ、この状況にATOを同時に添加したところ、ATRA単独に比べてさらにCD11bの発現誘導が見られた。この結果から、ATRA単独添加よりもATRA+ATOによるHL-60細胞の分化が誘導されていることを示唆する。次に、ATOのよる分化誘導作用に関わる因子の探索を目的として、ATRA添加HL-60細胞を対照群としてATRA+ATO添加HL-60細胞における遺伝子発現変動をマイクロアレイ法で検出した。その結果、2倍以上mRNAの発現が増加した38種の遺伝子群、2倍以上発現が低下した10種の遺伝子群を検出した。ATOの同時添加によりmRNA発現低下が検出された遺伝子群のうち、Proteinase3(PR3)について検討したところ、タンパク質レベルでも発現減少を検出でき、またPR3に発現が抑制されている転写因子Sp1の発現は増加していた。さらに、白血球の分化に関わる転写因子C/EBPεの発現を比較したところ、ATRA単独添加したHL-60細胞と比べてATOとの同時添加によりその発現は顕著に増加していた。以上の結果から、ATRA単独添加に比べてATRA+ATOの添加は白血病細胞の分化を促進させる作用が検出された。今後、本事象に関わる因子について検討を進めていきたい。
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[Journal Article] Initial response and cellular protection through the Keap1/Nrf2 system during the exposure of primary mouse hepatocytes to 1,2-naphthoquinone2011
Author(s)
Miura T., Shinkai Y., Jiang HY., Iwamoto N., Sumi D., Taguchi K., Yamamoto M., Jinno H., Tanaka-Kagawa T., Cho AK., Kumagai Y.
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Journal Title
Chem.Res.Toxicol.
Volume: 24
Pages: 559-567
Peer Reviewed
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