2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22790138
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Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
藤代 瞳 徳島文理大学, 薬学部, 助教 (10389182)
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Keywords | 輸送 / マンガン / パーキンソニズム / 亜鉛 / 神経 / ZIP8 / ZIP14 / 金属 |
Research Abstract |
マンガン(Mn)曝露によってパーキンソン病様症状が見られることは知られているが、神経細胞へのMn取り込みや排泄の詳しいメカニズムはほとんど明らかになっていない。これまで、脳神経細胞におけるMn輸送についてはFe輸送体のDMT1およびトランスフェリン受容体しか検討されていない。今年度は、亜鉛輸送体ZIP8およびZIP14の神経細胞における発現とMn輸送に関与しているかどうかを検討した。 パーキンソン病のモデル細胞とされているSH-SY5Y細胞(ヒト神経芽細胞腫)およびHT22(マウス海馬細胞)を用いた。SH-SY5Y細胞およびHT22細胞における金属輸送体の発現を調べた結果、Zn輸送体のZIP8,ZIP14およびDMT1が発現していることを確認した。これまでに、SH-SY5Y細胞におけるMn^<2+>取り込みには、DMT1の関与が報告されている。そこでSH-SY5Y細胞において、DMT1 siRNAを導入してDMT1の発現を抑制すると、Mn^<2+>取り込み効率はコントロールの半分以下にまで低下した。次に、ZIP8 siRNAを導入して発現を抑制すると、Mn^<2+>取り込み効率はコントロールと比べて変化しなかった。一方、ZIP14 siRNAを導入して発現を抑制すると、Mn^<2+>取り込み効率はコントロールの半分以下にまで低下した。またHT22細胞を用いた実験でも、SH-SY5Y細胞と同様の結果が得られた。よって、2種類の神経細胞に共通して、ZIP14の発現を抑制すると、Mn^<2+>細胞内取り込み効率は低下することを明らかにした。よって神経細胞では、DMT1のみならず、ZIP14がMn輸送に重要な役割を果たしている可能性が示唆された。今後、神経細胞におけるZIP14の役割についてさらに詳しく検討していきたい。
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Research Products
(14 results)