2012 Fiscal Year Annual Research Report
日和見感染菌におけるシデロフォアの病原学的意義とその作用機構に関する研究
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22790140
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Research Institution | Matsuyama University |
Principal Investigator |
舟橋 達也 松山大学, 薬学部, 准教授 (60343646)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 鉄 / シデロフォア / バイオフィルム / アシネトバクター |
Research Abstract |
Acinetobacter属菌は抗生物質多剤耐性化が問題となっている日和見感染菌の一つである。本菌の生存、増殖にも鉄(イオン)は必須であり、鉄欠乏ストレスに応答して三価鉄キレート分子であるシデロフォアを産生する。本研究ではAcinetobacter属菌などの日和見感染菌による感染成立の過程で細菌の定着や増殖段階におけるシデロフォアの役割とその分子機構を解析し、日和見感染症におけるシデロフォアの病原学的意義の解明を目的とする。Acinetobacter 属菌のうちA. haemolyticus ATCC17906は鉄欠乏条件に応答してシデロフォアacinetoferrinとacinetobactinを産生する。前年度までに本菌におけるacinetoferrinの生合成及び輸送遺伝子のクローニングと解析を終了したことから、今年度はacinetobactinについて同様の解析を行った。Acinetobactinの生合成と輸送に関与すると推測された31.8 kbpの領域をクローニングし、全塩基配列を決定した。Acinetobactinの生合成に関与すると考えられたentA遺伝子にアプラマイシン耐性カセットを挿入することにより作出した変異株の解析を行ったところ鉄欠乏条件下での培養上清中でカテコール型シデロフォアは検出されなかった。本菌の産生するカテコール型シデロフォアはacinetobactinのみであることからentA遺伝子がacinetobactinの生合成酵素の1つであると考えられた。さらに、バイオフィルム形成におけるacinetoferrinの関与についてクリスタルバイオレットによる染色法により検討した。その結果、acinetoferrinの添加はバイオフィルム形成を促進することが示唆され、シデロフォア産生が本菌の定着、増殖に寄与していると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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