2010 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロリボ核酸デリバリーシステムの構築とがん治療への応用
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22790143
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
畠山 浩人 北海道大学, 大学院・薬学研究院, 特任助教 (70504786)
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Keywords | miRNA / siRNA / 多機能性エンベロープ型ナノ構造体 / 核酸医薬 / がん治療 |
Research Abstract |
リポソーム型人工デリバリーシステム(Multifunctional Envelope-type Nano Device : MEND)によってin vivo腫瘍組織にmiRNAを送達するためには、生体内の酵素による分解を防ぐためMENDにmiRNAを効率的に封入する必要がある。またmiRNAを内封したMENDは、担癌モデルマウスに静脈内投与した後、腫瘍組織に到達し標的細胞に取り込まれ、miRNAの機能を発揮させることが求められる。そこで本研究ではmiRNAのMENDへのパッケージング法の検討を行うとともに、in vivo癌組織で機能を発揮するMENDの構築を目的として、モデル核酸としてsiRNAを封入したMENDのin vivo機能評価を行った。 miRNAのパッケージング法の確立においては、miRNAのナノ粒子化に有用なポリカチオンを見出すとともに、MENDへのmiRNA粒子のパッケージング条件を検討した。血清とのインキュベーションによる分解を指標に血清耐性能を評価し、封入率の高いパッケージング法を見出すことに成功した。 一方、in vivo腫瘍組織へのMENDの送達においては、腫瘍特異的に活性化するMENDやエンドソーム脱出促進素子を修飾したMENDを用いて、担癌モデルマウスへ静脈内投与後の腫瘍組織への送達および、標的遺伝子の活性を効率よくノックダウンすることを見出した(Hatakeyama et al. Biomaterials, in press. Sakurai et al. Submitted)。 今後は、in vivo腫瘍組織で効率よく機能するMENDへ、確立したmiRNAパッケージング法によってmiRNAを封入し、in vitroやin vivoでの活性評価を進める予定である。
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