2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22790144
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鈴木 健弘 東北大学, 病院, 助教 (50396438)
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Keywords | トランスレーショナルリサーチ / 慢性腎臓病 / 尿毒症物質 / メタボローム解析 / トランスポーター / スタチン / 酸化ストレス |
Research Abstract |
慢性腎臓病(CKD)において尿毒症物質蓄積と腎障害進行は相互に促進因子として働き、悪性サイクルを形成する。その結果、透析導入患者の増加は医療費増加の大きな原因となり、臨床においては新たな尿毒症物質排泄システムの構築と腎不全進行阻止が重大な課題である。しかしながら尿毒症物質の排泄メカニズムは十分に解明されていない。我々はヒト腎臓腎尿細管上皮血管側に特異的に発現して尿毒症物質を排泄する有機アニオントランスポーターSLCO4C1を単離した(PNAS,2004)。腎不全時にはSLCO4C1の発現低下が尿毒症物質蓄積の一因となる。ヒトSLCO4C1-腎臓特異的トランスジェニックラットの腎不全モデルでは尿毒症物質の排泄が促進され、腎不全時の高血圧、心肥大、腎内炎症が軽減した。本研究ではSLCO4C1の発現調節機構を解明し、トランスポーターを強力かつ副作用無く誘導する薬物を探索して、腎機能低下時にSLCO4C1の発現を増強して腎不全進展を阻止する治療法の開発を目的とした。SLCO4C1プロモーター領域のルシフェラーゼレポーターを用いた検討で、スタチンがその転写活性を亢進し、本邦で臨床投与されている6種類のスタチンは何れも異なる用量反応性をもってSLCO4C1転写亢進作用を有することがわかった。また、他にもいくつかの臨床的に使用されている薬剤で同様にSLCO4C1の転写活性促進作用を確認した。今後はこれらのスタチンのヒトでの効果を倫理委員会を通した患者血清・尿検体における尿毒症物質のメタボローム解析により検討するとともに、さらにSLCO4C1発現亢進作用を有する物質の探索を続けていく。
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Research Products
(15 results)