2011 Fiscal Year Annual Research Report
臨床症例に基づく新規リボフラビントランスポータRFTの病態生理的役割の解明
Project/Area Number |
22790154
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
米澤 淳 京都大学, 医学研究科, 助教 (90452341)
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Keywords | 薬学 / 薬物動態学 / ビタミンB2 / 先天性疾患 / 膜タンパク質 |
Research Abstract |
本年度は、これまでに同定したRFTの生理的役割について検討を行った。ヒト腸由来T84細胞におけるリボフラビン輸送の機能解析の結果、hRFT2が頂側膜に局在すること、頂側膜側の輸送機能特性はhRFT2に酷似すること、hRFT2に対するsiRNAによって輸送が抑制されることが明らかになった。以上より、hRFT2が頂側膜におけるリボフラビン輸送に主要な役割を担っていることが示唆された。また、RFTの基質認識特性の解析から、リボフラビンの活性体FMNやFADの輸送能は小さく、活性前駆体であるリボフラビンを輸送することが示された。基質認識に一致し、細胞外のリボフラビン濃度を下げたとき、細胞内リボフラビン濃度は低下するもののFMN、FAD濃度に変化は認められない。In vivoの解析においても同様の結果が得られた。したがって、RFTの基質認識特性によって活性体の細胞内濃度の恒常性が強く維持されることが明らかとなった。さらに、RFT1、RFT2、RFT3に関する研究成果を海外において積極的に発表し、HUGO Gene Nomenclature Committeeにも情報提供を行ってきた。その結果、これら遺伝子がSLC52A1/RFVT1(RFT1)、SLC52A2/RFVT2(RFT3)、SLC52A3/RFVT3(RFT2)として、HGNCデータベース等に登録された。
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