2012 Fiscal Year Annual Research Report
動脈硬化症治療薬創製への基盤:酸化LDL生成酵素阻害に基づくアプローチ
Project/Area Number |
22790176
|
Research Institution | Daiichi University, College of Pharmaceutical Sciences |
Principal Investigator |
竹田 修三 第一薬科大学, 薬学部, 講師 (00460379)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | カンナビジオール-2',6'-ジメチルエーテル / 動脈硬化 / 酸化LDL / 大麻草 / カンナビノイド |
Research Abstract |
本研究は、独自に見出した化合物であるカンナビジオール-2',6'-ジメチルエーテル(CBDD)を応用し、未だ謎である真の悪玉コレステロール(酸化LDL)生成と動脈硬化との関連性を検証し、動脈硬化症治療薬創製への分子基盤を確立するものである。これまでの研究で、CBDDが酸化LDL生成酵素である15-リポキシゲナーゼ(15-LOX)を選択的かつ強力に阻害することを見出している。しかし検討はin vitro(試験管内)で行なわれたものであったので、本研究(最終年度)では、CBDDがin vivo(生体内)にて酸化LDL生成を抑制し、動脈硬化症の進展を抑えるか否かを検証することを目的とした。 本研究では、戦略としてapoE欠損マウス(動脈硬化モデルマウス)にCBDDを投与し、その効力を確認することとした。ApoE欠損マウスは、血中のLDLレベルが上昇し易く、これが15-LOXにより代謝されて酸化LDLを生じ、これが動脈硬化を進展させることが考えられる。ApoEに対する特異抗体を用いたELISAの結果、病態マウスは正常飼育下で血中酸化LDLが経時的に上昇していった。一方、CBDD投与群では、酸化LDLの生成が抑制される傾向にあった。併せて、CBDD投与したものとそうでないマウスの動脈硬化の程度を組織化学的に精査した結果、CBDD投与群では病態の進展が抑制される傾向にあった。 これまでに15-LOXを分子標的とした動脈硬化症治療薬は存在しない。LDLレベル低下を目的とした医薬品は多いが、過度の低下による問題も指摘されている。本研究成果は、独自に見出したCBDDが酸化LDL生成酵素を阻害することで、動脈硬化を防ぐという新たな治療アプローチを提案することにも繋がり、今後の創薬への応用も含め得られた成果の波及効果は大きいと考えられる。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(3 results)