2011 Fiscal Year Annual Research Report
低分子量GTP結合タンパク質Rigによる神経細胞形態形成機構の解明
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22790182
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
星野 光伸 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (60431962)
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Keywords | 低分子量GTP結合タンパク質 / 膜輸送 / 神経細胞 |
Research Abstract |
新規Rasファミリー低分子量GTP結合タンパク質Rigは、脳を始めとする神経系組織に顕著に発現が認められ、そのアミノ酸配列のC末端側には細胞膜に結合するのに必須である脂質修飾(プレニル化)を受けるCAAXモチーフを有する。RigはRasとアミノ酸配列上非常に良く似ているタンパク質であるもに拘らず、神経系細胞に於けるその生理的機能に関しては未だ良く分かっていない。 申請者はこれまでにRig遺伝子を細胞に強制発現させると、細胞外から取り込ませたトランスフェリンや、リサイクルリングエンドソームのマーカータンパク質であるRab11と共局在することを見出した。そこでRigを発現させた細胞に於いてトランスフェリンのリサイクリングの過程を経時的に観察したところ、Rigの恒常的型変異体や優性抑制変異体を発現させた細胞ではkineticsに顕著な差は認められなかったがCAAXモチーフに点変異を入れて脂質修飾を受けられないRig変異体を発現させた細胞では、kineticsが有意に遅くなることを認めた。Rigの脂質修飾不能変異体をマウス海馬初代培養細胞に導入したところ、野生型Rigを導入したものに比べて樹状突起の枝分かれが有意に少なくなることを観察した。今年度は新たに蛍光標識したRig遺伝子産物を発現する発現系を構築し、リサイクリング過程の実時間解析を行った。 又、Rigの細胞内での機能を追求すべく、マウス脳破砕液からRig結合するタンパク質の候補群を見出す実験も計画した。ごく最近、細胞内でRigと結合するタンパク質を見出した。データベース検索の結果、このタンパク質は既知のものであり、Rigがこの結合タンパク質と協調して細胞内機能を発揮しているという仮説についても検討を加えたい。
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