2010 Fiscal Year Annual Research Report
神経系におけるリソソーム酵素の細胞間輸送経路の解明
Project/Area Number |
22790183
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
柴田 昌宏 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (10343253)
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Keywords | カテプシンD / ライソゾーム病 / トランスポゾン / セロイドリポフスチノーシス |
Research Abstract |
リソソーム酵素が先天的に欠損または機能不全に陥ると、ライソゾーム病とよばれる先天性代謝異常疾患(特定疾患に指定)になる。ムコ多糖症、ポンベ病、バッテン病、I-cell病など、現在約30種類の疾患が報告されており、欠損する酵素によってその症状は異なるが、本来リソソームで分解されるべき基質(糖、脂質、タンパク質など)が蓄積するということが共通しいる。ライソゾーム病の治療には酵素補充療法と骨髄移植が知られており、リソソーム酵素が細胞へ取り込まれることによってある程度良好な効果が得られている。しかし、リソソーム酵素が血液脳関門を越えることが出来ないため、中枢神経系に対しては有意義な効果を得るに至っていないのが現状である。言い換えると、リソソーム酵素が血液脳関門を越えて神経細胞へ到達出来れば、ライソゾーム病が克服されると予想される。 本年度は、昨年度に構築したメダカ由来のTol2トランスポゾンを用いた鶏胚への遺伝子導入モデルを利用し、末梢神経のリソソームの可視化を試みた。リソソームの可視化には、リソゾーム膜に局在するlamp-1をマーカーとして用いた。Lamp-1遺伝子の3'端にGFP遺伝子を結合させたキメラ遺伝子を作成し、同遺伝子カセットをTol2ではさんだベクターを構築した。同ベクターをエレクトロポレーション法で孵卵後二日から三日の鶏胚の神経管に遺伝子導入した。孵化後、幼雛の脊髄を共焦点顕微鏡で観察した。脊髄ではリソソーム様の構造物が確認出来たので、リソソームの生体観察が出来ることが示唆された。
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Research Products
(4 results)