2011 Fiscal Year Annual Research Report
神経系におけるリソソーム酵素の細胞間輸送経路の解明
Project/Area Number |
22790183
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
柴田 昌宏 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (10343253)
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Keywords | カテプシンD / リソソーム / トランスポゾン / ライソゾーム病 |
Research Abstract |
リソソームは細胞内で唯一酸性環境下にあるオルガネラで、数十種類の酸性加水分解酵素を有する。これらリソソーム酵素が先天的に欠損または機能不全になると、ライソゾーム病と呼ばれる先天性代謝異常疾患となる。ライソゾーム病にはムコ多糖症、ポンベ病、バッテン病、I-cell病など、現在約30種類の疾患が報告されており、欠損する酵素によってその症状は異なるが、本来リソソームで分解されるべき基質(糖、脂質、タンパク質など)が蓄積するということが共通している。ライソゾーム病の治療には酵素補充療法と骨髄移植が知られており、リソソーム酵素が細胞へ取り込まれることによってある程度良好な効果が得られている。しかし、リソソーム酵素が血液脳関門を越えることが出来ないため、中枢神経系に対しては有意義な効果を得るに至っていないのが現状である。 申請者はこれまで、メダカ由来のTo12トランスポゾンを用いた鶏胚への遺伝子導入モデルを利用し、末梢神経のリソソームの可視化を試みてきた。本法を用いることにより、脊髄でリソソームの生体観察が出来る可能性を示してきた。本年度は、鶏胚でリソソーム病モデルを構築することを試みた。鶏胚に安定的に遺伝子導入できるTo12の系を用い、それにU6プロモーターを利用したRNAi法を組み合わせ、さらにドキシサイクリンの添加により任意の時期に遺伝子発現を抑制出来るシステムを構築した。本法を用いることで、リソソーム酵素の遺伝子発現の抑制を生体で行うことが出来、生体観察の容易な鶏胚でリソソーム病モデルを構築することが可能となった。
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Research Products
(4 results)