2012 Fiscal Year Annual Research Report
アクアポリン2のリン酸化と細胞内分布および細胞内移送に関する解析
Project/Area Number |
22790191
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
松崎 利行 群馬大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30334113)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | アクアポリン2 / リン酸化 / バソプレッシン / 細胞内分布 |
Research Abstract |
バソプレッシン(VP)は、腎臓の水チャネルであるアクアポリン2(AQP2)の細胞内分布を変化させ、腎臓での水の再吸収量を調節する。本研究の目的は、VPによる、AQP2のリン酸化が、細胞内分布・細胞内移送を調節するメカニズムを解明することである。24年度は23年度までに作製したAQP2の256番目と269番目のセリン(S256とS269)のリン酸化を認識する抗体を用いて解析をおこなった。 SDラットに5%グルコースと1%エタノールを含む水を与え、1)多量に飲水させ、生体内のVP濃度を低下させた、2)多量飲水後にVPを投与した、3)VP投与後VP受容体の阻害剤であるOPC-31260(大塚製薬より譲り受け)を投与した後の腎臓をそれぞれ採取し、免疫組織化学とウェスタンブロットで解析した。さらにVP欠損DDI/Ddiaラット(ナショナルバイオリソースプロジェクト「ラット」より譲り受け)を用いた解析もおこなった。 S256はVPが欠損した状態でもかなりリン酸化されているが細胞内にとどまっており、VP投与でリン酸化が増すとともに細胞膜への集積がみられた。S269はVP濃度が低下した状態でリン酸化はみられず、VP投与後5分で、細胞内でリン酸化がみられその後急激にリン酸化の増加と細胞膜への集積がおこることがわかった。また、AQP2が細胞膜に集積したのちに、VP受容体の阻害剤を投与したところ、AQP2は細胞膜から急激に細胞内に取り込まれた。このときS256のリン酸化はあまり減少することなく細胞内へと取り込まれるが、S269は細胞内へ取り込まれながらリン酸化が急激に減少することが判明した。これまでAQP2の細胞膜への集積に重要といわれていたS256は、VP以外の因子によってかなりリン酸化されながら細胞内にとどまり、細胞膜への集積にはVPの作用とS269のリン酸化が重要であることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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