2011 Fiscal Year Annual Research Report
生理活性脂質2ccPAを用いたLPA受容体によるTRPチャネル活性制御機構の解明
Project/Area Number |
22790203
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
後藤 真里 お茶の水女子大学, 生命情報学教育研究センター, 特任助教 (80467050)
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Keywords | 環状ホスファチジン酸 / 生理活性脂質 / LPA受容体 |
Research Abstract |
本研究課題では、我々がinvivo系の実験で明らかにしている環状ホスファチジン酸(cPA)とその誘導体(2ccPA)の持つ鎮痛作用について、その作用機序を明らかにすることを目指している。TRPチャネルを発現させた細胞にチャネル活性測定用イオンインジケーターを取り込ませ、痛み刺激(カプサイシン)に伴うチャネルの活性化を、刺激前後の蛍光量の変化で測定する方法を用いて、2ccPAが痛み刺激が引き起こすTRPチャネルの活性化に与える影響を調べた。このとき、2ccPAはリゾホスファチジン酸5レセプター(LPA5)を活性化することが知られていることから、TRPチャネルを発現させた細胞にLPA5を共発現させた。解析の結果、2ccPAによるLPA5レセプターの活性化はTRPV1の活性化には影響を与えないことが示唆された。今後TRPV1以外のTRPチャネル活性化に与える2ccPAの影響を調べて行く予定である。また、2ccPAが既知のLPAレセプター以外を標的としている可能性も考えられるため、2ccPAと相互作用するタンパク質の単離・精製も行っていく。 本研究課題の最終目的は、cPA誘導体を疼痛治療へ応用させることである。これまでに我々は種々のcPA誘導体を合成してきた。今回は、2ccPAのほかに3ScPAを合成し、3ScPAの痛み抑制効果の有無、またその強度についても検討した。3ScPAはcPAと同様に痛み抑制効果を持つことが明らかになった。しかしながら、その効果は2ccPAには及ばなかったことから2ccPAが現在のところ最も痛み抑制効果が強いcPA誘導体であることが示された。今後2ccPAを中心に研究を進めて行く。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の目的に記載した、LPAR5活性化に伴うTRPチャネルの活性への影響解析を順調に進め、LPAR5はTRPチャネルのうちTRPV1の活性化には影響がないことを示唆する結果を得た。
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Strategy for Future Research Activity |
2ccPAによるLPA5活性化はTRPV1の活性には影響がないことが示唆されたことから、今後は、TRPV1以外のTRPチャネルへの影響を調べていく。また既知のLPAレセプター以外のcPAに結合するタンパク質の単離・精製を行っていく予定である。
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[Journal Article] Controlling cancer through the autotaxin-lysophosphatidic acid receptoraxis2012
Author(s)
Mari GOTOH, Yuko FUJIWARA, Junming YUE, Jianxiong LIU, SueChin LEE, James FELLS, Ayako UCHIYAMA, Kimiko MURAKAM-MUROFUSHI, Stephen KENNEL, Jonathan WALL, Renukadevi PATIL, Renuka GUPTE, Louisa BALAZS, Duane D. MILLER, Gabor J.TIGYI
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Journal Title
Biochem.Soc.Trans.
Volume: 40
Pages: 31-36
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] The role of autotaxin and stroma LPA receptors in cancer invasion and metastasis2011
Author(s)
Yuko FUJIWARA, Sue Chin LEE, Jianxiong LIU, Mari GOTOH, Ayako UCHIYAMA, Junming YUE, Renuka GUPTE, Stephen KENNEL, Jonathan WALL, Kimiko MURAKAMI-MUROFUSHI, Duane D. MILLER, Gabor TIGYI
Organizer
Lysophospholipid mediators in health and disease
Place of Presentation
Il Ciocco, Barga, Lucca (Italy)
Year and Date
20110814-19
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