2012 Fiscal Year Annual Research Report
生理活性脂質2ccPAを用いたLPA受容体によるTRPチャネル活性制御機構の解明
Project/Area Number |
22790203
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
後藤 真里 お茶の水女子大学, サイエンス&エデュケ―ションセンター, 研究協力員 (80467050)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 環状ホスファチジン酸 / 生理活性脂質 / LPA受容体 |
Research Abstract |
本研究課題では、我々がin vivo系の実験で明らかにしている環状ホスファチジン酸(cPA)とその誘導体(2ccPA)の持つ鎮痛作用について、その作用機序を明らかにすることを目指した。TRPチャネルを発現させた細胞にチャネル活性測定用イオンインジケーターを取り込ませ、痛み刺激(カプサイシン)に伴うチャネルの活性化を、刺激前後の蛍光量の変化で測定する方法を用いて、痛み刺激が引き起こすTRPチャネルの活性化に与える2ccPAの影響を調べた。このとき、2ccPAはリゾホスファチジン酸 (LPA)受容体を活性化することが知られていることから、TRPV1チャネルを発現させた細胞にLPA受容体を共発現させた。解析の結果、2ccPAによるLPA受容体の活性化はTRPV1の活性化には影響を与えないことが示唆された。 TRPV1以外のTRPチャネル活性化に与える2ccPAの影響を調べるために、まずTRPV4のクローニングを行った。TRPV4を強制発現させた細胞はリガンドである4alphaPDDで活性化されることを確認した。その細胞にLPA受容体を共発現させ、TRPV4に与える2ccPAの影響を調べた。その結果、2ccPAによるLPA受容体の活性化はTRPV4の活性化にも影響を与えないことが示唆された。今後2ccPAと炎症の関連を検討していく予定である。 本研究課題の最終目的は、cPA誘導体を疼痛治療へ応用させることである。これまでに我々は種々のcPA誘導体を合成してきたが、その中でも2ccPAが最も痛み抑制効果が強いことが示された。また、2ccPAの光学活性の違いがin vivoの鎮痛作用へ影響しないことを示した。しかしながら、創薬の観点からは光学純粋な化合物を大量に合成する必要性も考えられるため、2ccPAの純粋な光学異性体を合成する方法を検討し、合成方法の確立に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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