2011 Fiscal Year Annual Research Report
未熟・成熟B細胞免疫応答におけるミトコンドリアの役割の解明
Project/Area Number |
22790211
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
金 鳳柱 京都大学, 医学研究科, 特定研究員 (80511823)
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Keywords | 未熟・成熟B細胞 / ミトコンドリア / 膜結合型B細胞レセプター / ミトコンドリアCa2+輸送体 / 細胞質Ca2+ |
Research Abstract |
本年度は未熟・成熟B細胞における膜結合型B細胞レセプター(BCR)刺激後のCa2+濃度変化に対するミトコンドリアCa2+輸送体(ミトコンドリアNCX(NCXm)とCaユニポータ(CaUni))の寄与を明らかにする目的で、未熟DT40・成熟A20 B細胞株を用いて細胞質Ca2+(Ca2+c)、ミトコンドリアCa2+(Ca2+m)と小胞体Ca2+を測定した。CaUni阻害剤のRu360存在下ではBCR刺激後のCa2+cと小胞体Caポンプを介する小胞体Ca2+ uptakeに著明な変化は無かった。これらの結果はB細胞でのCa2+濃度変化に対するCaUniの寄与が少ないことを強く示唆した。しかし、NCXm遺伝子(NCLX)のヘテロノックアウトDT40 B細胞(NCLX+/-)ではNCXm活性(細胞質Na+依存性Ca2+排出)が著明に減少した。抗IgM抗体によるBCR刺激に対して、野生型ではほとんどの細胞でCa2+cの上昇が認められたが、NCLX+/-細胞ではCa2+cはほとんど変化しなかった。NCLX+/-細胞では、小胞体Ca2+ uptakeが低下し、その結果、小胞体Ca2+含量が著明に減少していた。これらの結果はNCXm特異的な阻害剤(CGP-37157)の添加実験と成熟A20 B細胞を用いたNCLX遺伝子サイレンシング(siRNA)実験で良く再現出来た。これらの結果から、NCXmは免疫B細胞で小胞体Ca2+含量を調節し、BCR刺激後のCa2+c応答を調節することが明らかになった。
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[Journal Article] Requirement of interaction between mast cells and skin dendritic cells to establish contact hypersensitivity2011
Author(s)
Otsuka A, Kubo M, Honda T, Egawa G, Nakajima S, Tanizaki H, Kim B, Matsuoka S, Watanabe T, Nakae S, Miyachi Y, Kabashima K
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Journal Title
PLoS One
Volume: 6
Pages: e25538
DOI
Peer Reviewed
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