2011 Fiscal Year Annual Research Report
白色脂肪細胞におけるMIC/TRPM7チャネルの生理機能の解析
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22790220
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
井上 華 東京医科大学, 医学部, 助教 (20390700)
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Keywords | 白色脂肪細胞 / イオンチャネル / 生理学 |
Research Abstract |
本年度は、MICチャネルの分子同定を目的とし、これまでMICチャネルの分子実体と考えられてきたTRPM7と白色脂肪細胞に発現するMICチャネルの違いについてより詳細な検討を行った。昨年度の研究により明らかとなったMICチャネルとTRPM7の違いは以下の2点である。1)チャネル活性のPIP_2依存性。TRPM7は、細胞内PIP_2の枯渇によりrundownすることが報告されている。しかしながら白色脂肪細胞のTRPM7であると考えられるMIC電流は、PIP_2によって活性が維持されない。2)活性酸素に対する感受性。異所性に発現されたTRPM7は活性酸素によって活性化することが報告されている。しかし白色脂肪細胞のMIC電流は、活性酸素によって不可逆に抑制される。本年度明らかとなったのは、1)PIP_2存在下でもMg^<2+>の存在によってrundownが起こる。Rundownには細胞内Mg^<2+>が重要である。2)活性酸素だけでなく、システイン残基を修飾する薬剤によってもMIC電流の抑制が起こる。また細胞内Mg^<2+>をキレートすると抑制が減弱する観察から、システイン残基の修飾はMICの細胞内Mg^<2+>に対する感受性を増加させることによって電流を抑制していることが予測された。これらの特異な性質は白色脂肪細胞に特異的なものである可能性、またはマウスTRPM7とヒトTRPM7の種差の可能性がある。そこでヒト胚腎臓細胞であるHEK293T細胞に発現するMICについて、活性酸素に対する感受性について検討を行った。HEK293T細胞のMIC電流もマウス白色脂肪細胞のMIC電流と同様に、活性酸素によって抑制され、その抑制はシステイン残基の修飾によるものであることを明らかにした。したがって、上記の2つの相違点は組織特異的なものでも種差のあるものでもないことが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験計画の段階で予定していた、白色脂肪細胞内Mgイメージングを試みたが、今のところポジティブなデータは得られていない。その理由として、Mgはもともと細胞内外の濃度が同程度なため、シグナルとして検出されにくいということが考えられる。また、MICチャネルを活性化する刺激が見つかっていないということも理由の一つである。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度である24年度は、脂肪細胞の生理にMICチャネルがどのように関わっているかを中心に検討していく。特にグルコース取り込みに関して、MICチャネルが活性酸素などによって抑制されている場合に、どのような影響を受けるのかを明らかにする。
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Research Products
(4 results)