2011 Fiscal Year Annual Research Report
腸管上皮幹細胞における癌抑制型miRNAの発現制御および機能解析
Project/Area Number |
22790221
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
大内 靖夫 中部大学, 実験動物教育研究センター, 助教 (70553858)
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Keywords | miRNA / 腸管上皮幹細胞 / 幹細胞 / 腸管系腫瘍 / Let-7 / Lin28 |
Research Abstract |
昨年度、ラット小腸部由来IEC-6細胞株を用いたin vitroでのLin28A,B遺伝子のGain-of-functionの解析からLin28Aの過剰発現は標的miRNAであるLet-7癌抑制型miRNAの発現を抑制し、c-mycの発現上昇することで細胞増殖、遊走能の亢進、接触阻害能の低下に寄与していることが明らかになった。 このことからマウス小腸上皮組織ではLin28Aが陰窩底部に特異的に発現し、Let-7の発現を抑制することでc-mycの発現を誘導し腸管上皮幹細胞の維持に寄与していることが示唆された。 本年度、Lin28A-Let-7制御系の腸管上皮細胞における個体レベルでの機能を明らかにするため、研究実施計画に則し、腸管上皮細胞特異的Lin28A過剰発現マウスおよび腸管上皮幹細胞特異的Lin28A欠損遺伝子改変マウスの作製を進め、マウス個体レベルでのLin28Aの機能の解析を進めてきた。 その結果、腸管上皮細胞特異的Lin28A過剰発現マウスの作製に成功した。得られた腸管上皮細胞特異的Lin28A過剰発現マウスにおける腸管上皮細胞ではLin28Aの過剰発現に伴いLet-7の発現が低下していた。また一部の個体において小腸腺癌を発症することが確認された。一方、腸管上皮細胞特異的Lin28A過剰発現マウスの作製に関しては現在、Lin28A条件付き遺伝子欠損ES細胞株の樹立に成功しており、得られたES細胞のインジェクションを進めている。 以上の結果よりマウス小腸上皮組織では陰窩底部位特異的にLin28Aが発現しておりLet-7のプロセシングを抑制することでc-mycの発現を増強しており、腸管上皮幹細胞の増殖、発癌過程におけるその悪性化に寄与している可能性が考えられる。
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Research Products
(9 results)