2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22790225
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
福元 隆浩 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 助教 (50433024)
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Keywords | セロトニン / 卵胞 / 免疫染色 |
Research Abstract |
卵胞の成熟機構は生命現象の根幹であることは疑いようがなく、種々研究が進んでいる。本研究課題では、セロトニンとセロトニン合成関連分子群がどのような分子機構で卵胞成熟を制御しているかを解明する事を目的とした。実験材料としては、マウスの卵胞を用いた。現在までに卵胞の成熟は脳内からの刺激並びに分泌ホルモンにより調整されていると考えられてきた。本研究ではまず、卵胞成熟期間におけるセロトニンの局在を免疫染色で検討した。結果、始源卵胞からセロトニンは検出でき、かつ極めて限局した局在様式を示した。更に、排卵直前までの過程に於いても、想定された拡散様式を示すのではなく、極めて限局している事が明らかになった。更に、我々は世界で初めて、多嚢胞性卵巣症(Polycystic Ovary Syndrome, PCOS)の表現系を示すモデルマウスの作成に成功した。このマウス作成にかかる科学的意義としては、体内環境ホルモン異常による発症を分子と表現系で検討できるだけでなく、早急なる臨床応用への道筋を構築できる事が可能になった。このマウスを用いてセロトニンとセロトニン関連分子群の局在を検討した所、正常マウスとは極めて異なる実験結果を得た。さらに、今まで原因が特定できなかったが、卵巣内の正常環境維持おいてセロトニンが積極的に関与している事を示す結果も同時得た。これら結果は2報の学術論として受理された。現在もまた、卵胞の成熟機構に関わるセロトニンの分子機構に関する科学的知見を発見できたため、2報の論文を投稿し採択結果待ちである。
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Research Products
(9 results)