2010 Fiscal Year Annual Research Report
哺乳類中枢時計特異的な入力機構の解析―視交叉上核スライス培養を用いた検討―
Project/Area Number |
22790234
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
鯉沼 聡 近畿大学, 医学部, 助教 (10340770)
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Keywords | 視交叉上核 / 位相反応曲線 / VIP / Vipr2 / Per2 |
Research Abstract |
本研究の目的は哺乳類生物時計の中枢である視交叉上核内の領域特異的な入力応答を解析することである。平成22年度においては、当初の計画に沿い、視交叉上核背内側部と腹外側部の入力応答性を検索した。具体的にはPer2プロモーターの制御下でルシフェラーゼを発現するトランスジェニックラットを用い、視交叉上核の組織切片とそれを背内側部・腹外側部のみに単離した3種類の切片を作製することで、視交叉上核内のシグナル分子と考えられるVIPに対する位相反応を発光により測定した。様々な位相においてVIPを作用させることで詳細に位相反応曲線を作成したところ、3種類の切片それぞれが光パルス型の位相反応を生じることが明らかになった。しかし、それぞれの反応性には相違があり、背内側部単独の切片では腹外側部単独の切片や切断していない視交叉上核切片よりも各位相においてより大きな位相変位を生じた。本課題申請段階の予備実験では、in situ hybridization法によってVIP mRNAとその受容体であるVipr2 mRNAの発現領域が腹外側部と背内側部に明確に限局していることを示しており、仮説として腹外側部から背内側部へ向かう情報に方向性が存在することを記載したが、今年度実施した実験結果からこの情報の方向性を位相反応の観点からも確認することができた。さらに、背内側部単独で観察された位相変位は腹外側部の存在下では抑えられていることから、視交叉上核の腹外側部が背内側部の位相を制御していることが示唆された。
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Research Products
(1 results)