2011 Fiscal Year Annual Research Report
プロスタグランジンE2受容体を介した新規血小板凝集抑制作用の解明
Project/Area Number |
22790241
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
柏木 仁 旭川医科大学, 医学部, 助教 (60510609)
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Keywords | 血小板 / プロスタグランジンE2 / EP2受容体 / EP4受容体 / 受容体欠損マウス |
Research Abstract |
血小板の機能は、凝集促進作用を示すトロンボキサンA_2と凝集抑制作用を示すプロスタグランジン(PG)I_2により調節されていることはよく知られているが、近年、PGE_2の血小板凝集への関与が報告されている。血小板には、PGE_2受容体のサブタイプであるEP_2、EP_3、EP_4の発現が確認されており、EP_3に関しては、血小板凝集を促進する作用があることを当研究室より報告した。また、前年度までの検討により、マウス血小板のEP_2とEP_4を選択的に刺激することで血小板凝集が抑制されることが示唆された。 そこで、EP_2とEP_4を介した血小板凝集抑制作用が、マウス同様ヒトにおいても認められるか否かを明らかにするため、健常人のボランティアから採取した血液より血小板を調製して検討した。EP_2のアゴニストは、濃度依存的な血小板凝集抑制作用を示し、そのIC_<50>値はマウス血小板を用いた検討と同程度のものであった。一方、EP_4のアゴニストも濃度依存的な血小板凝集抑制作用を示したが、興味深いことに、そのIC_<50>値はマウス血小板に対しての値の約1/40と算出された。また、EP_4アゴニストの血小板凝集抑制のIC_<50>値は、PGI_2アナログであるベラプロストの値と同程度のものであった。さらに、EP_4アゴニストの血小板凝集抑制作用は、EP_4アンタゴニストによりほぼ消失したことから、EP_4アゴニストの血小板に対する作用はたしかにEP_4を介したものであることが示唆された。続いて、洗浄血小板を調製してcAMP量を測定した結果、EP_4アゴニストにより血小板内cAMP量が有意に増加していることが明らかとなった。 以上の結果より、マウス同様ヒトにおいてもEP_2とEP_4を刺激することで血小板凝集抑制作用が示されるが、特にEP_4アゴニストの血小板凝集抑制の効力が高いことが明らかとなり、新規抗血小板薬としての可能性が示唆された。
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Research Products
(5 results)