2012 Fiscal Year Annual Research Report
脊髄損傷の運動機能障害に対するデノソミンの薬理作用と神経回路網の構築機序の解析
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22790246
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
勅使川原 匡 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (40403737)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 脊髄損傷 / アストロサイト / グリア瘢痕 / デノソミン / 軸策 / 樹状突起 / 神経 / 突起伸展 |
Research Abstract |
本研究は、神経機能障害を改善する新規創薬シーズの探索、および神経回路網形成の分子機序を解明することを目的とし、脊髄損傷の運動機能障害に対する新規化合物1-deoxy-nor-sominone (Denosomin)の薬理効果を解析した。脊髄損傷マウスに対するDenosomin投与は、損傷脊髄領域における神経軸索の再伸展を促進させ、マウスの後肢運動機能障害を回復させた。また、Denosominを投与された脊髄損傷マウスは、損傷脊髄領域でのミクログリアの活性低下(炎症の緩和)とアストロサイトの増加もみられた。初代培養神経細胞においても、Denosomin刺激による神経細胞の突起伸展やシナプス形成の促進効果をみとめた。さらに、Denosominは、単離培養アストロサイトの細胞増殖率を増加させ、また、細胞死誘発に対する保護効果を示した。初代培養神経細胞の突起伸展は、Denosominを前処置したアストロサイトとの共培養、およびDenosomin処置したアストロサイトの培養メディウム上清の投与によっても促進された。このアストロサイト由来の液性因子は、細胞骨格タンパクのビメンチンであり、放出されたビメンチンに軸索伸展作用があることを明らかとした。これらの結果から、Denosominは、損傷脊髄領域での軸索伸展に対して抑制的存在であると考えられているアストロサイトの性質を、促進性に転換させている可能性を示している。本研究は、Denosominの活性とその作用点を明らかとした。Denosominは脊髄損傷による運動機能障害を回復する新規薬剤候補となる可能性が示唆される。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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