2010 Fiscal Year Annual Research Report
大腸菌人工染色体トランスジェニックマウスを用いたGATA2遺伝子制御解析
Project/Area Number |
22790269
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鈴木 未来子 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (80508309)
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Keywords | GATA2 / 大腸菌人工染色体 / トランスジェニックマウス / 3q21q26症候群 / 白血病 / 骨髄異形成症候群 |
Research Abstract |
本研究では、大腸菌人工染色体(BAC)トランスジェニックマウスを用いることにより、GATA2遺伝子上流77kbに存在するエンハンサー領域がGATA2遺伝子を活性化するメカニズムを明らかにすることを目的としている。本年度は、-77領域をloxP配列ではさんだBACトランスジェニックマウスを解析することにより、-77領域が造血前駆細胞においてはGATA2遺伝子のエンハンサーとして働いているが、神経におけるGATA2発現細胞ではエンハンサーとして機能していないことを明らかにした。23年度には、造血細胞および神経細胞におけるクロマチン免疫沈降解析を行い、細胞特異性を決定する機構を明らかにする。さらに、-77kb領域の下流には3q21q26症候群(骨髄異形成症候群/白血病の一種)の切断点が集中していることから、-77kb領域が転座または逆位によってEVI1遺伝子と近接することにより、EVI1遺伝子の発現に影響を与えている可能性が考えられた。そこで、この転座/逆位を再現するBACマウスを作製し、切断点近傍に位置するEVI1遺伝子の活性化に対する-77領域の機能を明らかにする試みを行っている。本年度はBAC結合技術を用いて、3q21q26症候群にみられる染色体逆位を再現するBACクローンの作製に成功した。また、このクローンを用いてトランスジェニックマウスを作製した。このマウスの解析を23年度に行う予定である。
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